シュツットガルト駅からUバーンで一駅目のショロスプラッツ駅近くにひときわ高くそびえて建つ教会の塔が見えます。
なにしろ目立つ建物だったから近くに行ってみました。
この教会の名は、多分シュティフスキェルヒェという発音だと思います。ドイツ語ではStiftskircheと書きまして、シュティフト教会という由緒あるプロテスタントの教会です。
場所はここです↓↓
入り口のドアが開いていて、誰でも自由に中を見学することができました。案内の多分ボランティアの方もいましたが、あいにくドイツ語を話す人で、私はドイツ語が喋れないから友人のドイツ人がいろいろ聞いてくれました。
教会の中はこのようなムードで歴史を感じさせますが、実は第二次世界大戦で大破したそうです。その後応急復旧し、最近になって屋根部分を復刻してさらにオリジナルの景観を持たせながら音響配慮もした、ハイテクな屋根になっています。
ステンドグラスもこんなに大きく綺麗。
更にここはプロテスタント発祥の地だと案内の人が説明したようでした。世界のプロテスタントの発祥の地なのか、この地域の発祥の地なのかはよく分かりませんでしたが、教会内の壁には、このようにキリスト像があります。
このキリスト像は、ここにしかない着衣のキリスト像なのだそうです。
案内の人は、毎週金曜の夜にここでコンサートが開かれると教えてくれたので、私と妻の二人でそれを聴きに行くことにしました。ドイツ人の友人は「パイプオルガンの演奏があると言っていた」と教えてくれました。ステンドグラスの反対側には巨大なパイプオルガンが備え付けられ、この演奏でオルガンが低音を出ときには空気の振動がすごいのだそうです。
金曜日の夕方になったので、Uバーンに乗ってシュティフスキェルヒェまで行きました。夜の19時開演なので30分前に教会に入り、入り口で一人8ユーロの入場料を払い、二人で二階の席に座りました。
パイプオルガンの演奏かと思っていましたが、実際に始まったのは合唱団によるコーラスでした。期待していた空気振動は体感できませんでしたが、コーラスを聴きはじめたときにはまるで外国の映画の中に入ったような「これがヨーロッパの雰囲気か!」と興奮しました。
観客は一階の席はほぼ埋まるぐらい、みんな静粛に聴き入っていました。教会の中は音がすごくとおり、咳をしても遠くまで届いてしまいますから物音たてないようにしていなければなりません。それでも合唱開始までは人々は一緒に来た人と小さい声で話をしていてヒソヒソ声がします。でもいつもの日本の光景とちょっと違っていて、談笑はしないんですね。みんなまじめな顔をして、まじめに難しい話をしているように見えて、だからドイツ人は難しく見えてしまうのですが、実際はきっと今日の天気の話をしているのでしょう。
でも合唱団が入場したら、ピタッと物音ひとつしなくなり、誰かがする咳の音が三回ぐらい聞こえるのですね。演奏前の誰かの咳の音は日本の演奏会でも聞こえますから万国共通のものだと分かりました。
終演したのは8時過ぎでしたが、外に出るとまだ太陽が空にあって、日本の夏の午後6時頃の感じ。ここは夏時間になっているから夜もまだ明るいせいでもありますが、夜遅くまで外出しっ放しになりますから、ホテルに帰ったらもう寝なければならない時刻です。