ライン川沿いのドライブ ローレライについての議論

ラインフェルス城を友人の運転するBMWで出発し、約30分走ってローレライに来ました。ここはライン川沿いなので鉄道でも来られますが、車の方が断然便利だと思われます。

ところで・・・ドイツ人は議論をすることが、いつも。
これはちょうど日本人が「気を利かせる」または「空気読む」が、いつもすることであるのとよく似た、しかし対照的な特徴ではないかと思います。日本人どうしでもし議論が始まると、それは喧嘩の前触れではないかと周囲が心配し「まあまあ、いいじゃないか・・・」と止めに入りたくなる。そう思いますが、ドイツ人は徹底的に議論して問題解決する!これが特徴です。

この日は30年間ドイツに住み続けて、ドイツ人化した日本人友人と、一緒に行ったライン川の超有名スポット「ローレライ」について議論しました。

ローレライとはロマンチックな響きがありますが、実際に行ってみるとこんなところです。
広い駐車場とはまったくイメージを異にする実に素朴な小道を歩いて行った先に崖があります。
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柵も無い崖の上からUの字に曲がるライン川を眺めて、ローレライ伝説発祥の地を目で見る。この単純な観光をするのがローレライの優れたところ。
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ここに写る曲がった川こそ議論の焦点です。
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ローレライ伝説とは、ライン川のこの場所に差し掛かった舟の船頭が岸部にたたずむ美しい女性に魅惑され、岸に接近し過ぎて沈没事故を起こしてしまった。日本語サイトで調べるとこのようなものです。
つまり情景は漁師が小舟で川に出ていたら、美しい女性が急に現れたために頭クラクラに魅惑されて事故を起こし水中に没した。

一方、ドイツ語サイトで調べると・・・
ここを通りかかった船の乗組員が岸部から聞こえる金髪女性の美しすぎる歌声に魅了されているうちに崖に衝突して大破し、水中に放り出された。

小道具と情景が日本側解釈は漁夫と漁船で、みるみる川底に吸い込まれた、ということは渦に巻き込まれたようですから、浦島太郎にちょい似のイメージが見えてきます。
一方ドイツ側解釈では、割と大きな船に複数の乗組員がいて、そのうち船長が美しい金髪と美声に魅惑され、航路指示を誤って操縦不能、崖に激突大破、という感じです。

ライン川では古くから物流が行われ、周辺の城は貨物船の通行税を徴取する目的だったようですから、ローレライ伝説は貨物船の船長が起こした事故物語と解釈する方が、浦島太郎っぽい解釈より妥当そうな気がします。

友人との議論の焦点は「果たして女性の美声と金髪で沈没事故するまで魅惑されるものなのか?」。

議論の末にたどり着いた結論は・・・
美声と金髪は後から付け足した言い訳で、本当は女性が裸だったからではなかろうか?!
もし裸女性が急に見えたら(多分船長は男だから)そっちを見まくるだろう。川の流れは早く、すこしの時間でも船は流され、女性に目がない船長はまさにそっちに集中しているから船員の「ヤバイ!船長、早く舵を!」という叫びも船長が聞きとらなかったから事故になったのではないか!

それを裏付けそうな証拠は・・・
ローレライの崖に通じる歩道沿いのローレライ像。
この妖精の身にまとうコスチュームを見れば、どうも結論は正そうだ、と自信を持ってしまいます。
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