カテゴリー別アーカイブ: フランクフルトからドライブ

リューデンスハイムは小粒で、観光ムードあふれる街!

リューデンスハイム(Rüdesheim am Rhein)はフランクフルトから車で約1時間、列車でも同様な時間で行けるライン川沿いの小さな観光地です。フランクフルトからマインツを抜けビンゲンという街の川を挟んだ対岸にあります。

街自体はせいぜい1キロ四方ぐらいしかなく、その上にロープウェイで行く丘の上の見晴台があるからなのでしょうか?土曜日だからか?ユネスコ世界遺産だからなのか?「なんでこんな小さな街にこれだけ集客できるの!?」と思うほど世界各国から観光客が来ていました。とは言っても混雑で歩けないほどではなく。ロープウェイも10分並んで乗れる程度。賑やかでもありワインも美味しく、観光にのんびり散策にいい街でした。

リューデンスハイムはライン川の東岸を走って行きます。一般道ながら時速70キロで走れるところがドイツのいいところ。道から沿道の家々を眺めると、古く、ドイツらしく、実に風情のある映画の中に入ってしまったような雰囲気に浸れます。
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道の横には鉄道が走っていまして、これはライン川西岸を走る幹線と違ってローカル線なのだそうです。貨物列車が多く走っていました。インターシティーなどの急行列車は西岸の線を主に使っているようです。ちなみに特急のICEのほとんどはライン川とはかけ離れた内陸にもう一本ある新幹線を走っています。
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リューデンスハイムの街に着くと、このようなお土産物屋とレストランが並ぶのですぐ分かるでしょう。
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大通りから入る小道は有名な「つぐみ横丁(Drosselgasse)」を選択します。
ここは日本で言うなら京都の先斗町で、細い路地にレストランやバーが並ぶ、酒飲み御用達の横丁です。
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道端では「生演奏」もあります。
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つぐみ横丁を抜けて坂道をちょいと上ると、ロープウェイの駅があります。クレジットカードを使い自販機で切符を買って(窓口もあるけど混む)小っちゃいゴンドラに乗り込むと展望台に着きます。
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展望台にはこのような女神様の銅像がありました。
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説明書きには「Das Denkmal」と書いてありまして・・・てっきり私は「デンクマル女神の銅像」かと思い、でもどうして女神は女性なのに「Die」じゃなく中性の「Das」で始まるんだろう・・・と学生時代に習ったドイツ語の数少なく覚えた知識で、ドイツに住む友人に聞いたら「Denkmalは名前じゃなくてもモニュメントという意味だ、だから中性の冠詞でいいのだ」と言われました。この女神の名前は「女神ゲルマニアさん」で、よく説明書きを読むと「Die Germania]となっていて、文法は間違っていませんでした。
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ロープウェイで麓まで降りると、目の前のレストランに入らずに通過することはできませんでした。
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ここはワインの産地。当然ワインで友人と乾杯しました。
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リューデンスハイムは観光地なので当然ホテルもあります。
こんな感じのいいホテルがいくつも目に入ったので、次にドイツ旅行するときは、こんなホテルに「Do you have a room available today?」と喋り、飛び込み宿泊してみたいです。観光地だからきっと英語でいけるでしょう。
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ライン川沿いのドライブ ローレライについての議論

ラインフェルス城を友人の運転するBMWで出発し、約30分走ってローレライに来ました。ここはライン川沿いなので鉄道でも来られますが、車の方が断然便利だと思われます。

ところで・・・ドイツ人は議論をすることが、いつも。
これはちょうど日本人が「気を利かせる」または「空気読む」が、いつもすることであるのとよく似た、しかし対照的な特徴ではないかと思います。日本人どうしでもし議論が始まると、それは喧嘩の前触れではないかと周囲が心配し「まあまあ、いいじゃないか・・・」と止めに入りたくなる。そう思いますが、ドイツ人は徹底的に議論して問題解決する!これが特徴です。

この日は30年間ドイツに住み続けて、ドイツ人化した日本人友人と、一緒に行ったライン川の超有名スポット「ローレライ」について議論しました。

ローレライとはロマンチックな響きがありますが、実際に行ってみるとこんなところです。
広い駐車場とはまったくイメージを異にする実に素朴な小道を歩いて行った先に崖があります。
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柵も無い崖の上からUの字に曲がるライン川を眺めて、ローレライ伝説発祥の地を目で見る。この単純な観光をするのがローレライの優れたところ。
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ここに写る曲がった川こそ議論の焦点です。
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ローレライ伝説とは、ライン川のこの場所に差し掛かった舟の船頭が岸部にたたずむ美しい女性に魅惑され、岸に接近し過ぎて沈没事故を起こしてしまった。日本語サイトで調べるとこのようなものです。
つまり情景は漁師が小舟で川に出ていたら、美しい女性が急に現れたために頭クラクラに魅惑されて事故を起こし水中に没した。

一方、ドイツ語サイトで調べると・・・
ここを通りかかった船の乗組員が岸部から聞こえる金髪女性の美しすぎる歌声に魅了されているうちに崖に衝突して大破し、水中に放り出された。

小道具と情景が日本側解釈は漁夫と漁船で、みるみる川底に吸い込まれた、ということは渦に巻き込まれたようですから、浦島太郎にちょい似のイメージが見えてきます。
一方ドイツ側解釈では、割と大きな船に複数の乗組員がいて、そのうち船長が美しい金髪と美声に魅惑され、航路指示を誤って操縦不能、崖に激突大破、という感じです。

ライン川では古くから物流が行われ、周辺の城は貨物船の通行税を徴取する目的だったようですから、ローレライ伝説は貨物船の船長が起こした事故物語と解釈する方が、浦島太郎っぽい解釈より妥当そうな気がします。

友人との議論の焦点は「果たして女性の美声と金髪で沈没事故するまで魅惑されるものなのか?」。

議論の末にたどり着いた結論は・・・
美声と金髪は後から付け足した言い訳で、本当は女性が裸だったからではなかろうか?!
もし裸女性が急に見えたら(多分船長は男だから)そっちを見まくるだろう。川の流れは早く、すこしの時間でも船は流され、女性に目がない船長はまさにそっちに集中しているから船員の「ヤバイ!船長、早く舵を!」という叫びも船長が聞きとらなかったから事故になったのではないか!

それを裏付けそうな証拠は・・・
ローレライの崖に通じる歩道沿いのローレライ像。
この妖精の身にまとうコスチュームを見れば、どうも結論は正そうだ、と自信を持ってしまいます。
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