エスリンゲン、シュツットガルトすぐの、濃縮された街

ドイツのシュツットガルトは日本では観光地としてあまり知られていない印象ですが、その隣町のエスリンゲンはさらに「知る人ぞ知る」という穴場間違いなしの場所だと思います。

シュツットガルト中央駅の前にある観光案内所で「ここから手軽に行ける歴史的な雰囲気でお薦めの場所は?」と尋ねたら、最初にエスリンゲンを言われました。シュツットガルト駅から日本で言うところの通勤電車に相当するSバーンで15分ぐらい。シュツットガルトのすぐ隣なのに、シュツットガルトを離れた世界に来た気がします。日本で例えるなら大阪市と堺市みたいな違いです。

シュツットガルト中央駅からエスリンゲンに行くにはSバーンのS1号線を使うといいと思います。DBのローカル線でも同じ駅に着けますが、Sバーンの乗車券はUバーンと共通切符になっているから、シュツットガルト市内からゾーン内フリー切符で行けて安いです。

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駅に着いたら北の出口です。

エスリンゲン駅前は工事中で、その風景は何だか東京の京王線調布駅前そっくりです。

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北東方向に行く感じで、北に進み、広い通りに出たら右に曲がって道なりに進んで行くと、目指すドイツの歴史的雰囲気が味わえる地域に入ってきます。

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やがて運河に出ますが、その運河手前に嫌でも目につく綱渡り名人の塔があります。この塔はエスリンゲンの代表的オブジェクトなので、必ず写真を撮りたくなるでしょう。

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この綱渡り名人が見えた辺りから、街並みは急に19世紀っぽく変身し、運河にかかる古式な石橋から「こんなところでランチしたい」と思わずにはいられないようなレストランも見えています。まるでドイツ版の京都先斗町の風情です。

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ここからさらに先に進むと、マルクトプラッツという名の広場があります。この広場はがらーんとした、まさに純粋広場になっていて走ることだってできます。広場の周りは絵に描いたようなヨーロッパ風景で固められ、ここはまさに「来るべきところ」になっているわけです。

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このマルクト広場の一角に観光案内所があり、係りの人とは英語で意思疎通ができます。ここでも私は実感しましたけど、ドイツ人の話す英語は聞き取り易い!単語の発音が日本人と似ていてアイウエオがはっきりしていて、私の話すヘタな英語もよく意味を拾ってくれました。

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この案内所では無料の地図もありましたが、0.5ユーロ?ぐらいだったと思うけど、もっと便利な地図を買いました。

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これを使ってマルクト広場から見える丘の上の妙な形の塔がある場所まで行ってみたかっらからです。

念のため「あの丘の上の建物は何? 歩いてどのぐらいかかるの?」と聞いてみたら、あれは「市の壁で10分ぐらいで着けると」言っていたので、迷わずそこへ向かいました。

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マルクト広場にはこんなレストランだか、きっと日本で言ったら居酒屋のような店が午前中からオープンしていて、ビール飲んでいる人もいましたので、市の壁に行くのをやめてここでビール飲んで帰ろうかとも思いましたが、やっぱり市の壁の方を選びました。

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この居酒屋を超えて、高架になっている道路の下をくぐり、階段を上ると狭い坂道になっていました。

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市の壁へののぼり階段が、その狭い道に建つ素敵な建物と建物に挟まれて、こんなふうに素敵に入り口を開けていました。奈良の長谷寺の階段っていう感じです。

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階段は300段近くあるらしいですが、いちいち数えませんでした。だけどアラフィフを超えた身には汗かく階段です。階段の横は丘の斜面になっているので、そこからエスリンゲンの街並みがよく見えます。

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てっぺんには例の妙な塔があります。この塔直前のところで周囲を撮影した動画は以下です。

↓↓↓

丘の上の塔は、やっぱり塔らしいのですが、今はレストランになっているという説があります。

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この塔のすぐ隣には、やっぱり「ここでランチしたい」と思わせるような雰囲気良さそうなレストランがあり、観光案内所でも「レストランで食事できますよ!」と言っていました。私は歩いて階段を上りましたけど、丘の反対側には道路があって車で来られるようで、レストラン近くには駐車場もありました。

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ホーエンノイフェン城でも思いましたが、歴史的遺産もこうやって外観をそのままに商用施設として活用したら、その収益でメンテナンスもできるから、文化遺産の建物が残しやすいのではないかと思います。それにドイツでのこうした商用利用のいいところは、外から見ても、それが商用利用されていると見えないところです。下から眺めても、階段の途中から見ても、味わいある古い歴史ある廃墟としか見えません。レストランの看板さえありませんでした。

 

エスリンゲンはシュツットガルトのすぐ傍なのに、落ち着いた雰囲気の街でした。Sバーンですぐシュツットガルトに出られるし、途中の駅にはメルセデスベンツの会社もあります。多分シュツットガルトはこうしたベンツなど会社関係の出張で日本から来るケースが多そうだと思いますが、そういう場合はエスリンゲンにホテルをとったら静かで風景も良くて交通便利で、いいのではないかと思いました。

エスリンゲン、シュツットガルトすぐの、濃縮された街」への4件のフィードバック

  1. tomo

    メルセデス・ベンツ ミュージアムへ行ったついでに、こちらのエスリンゲンに行きました。ただいまシュツットガルトより投稿しています。ビジネスの途中ですが、こちらのサイトのガイド顔負けの案内で安心して観光できました。ありがとうございました。

    返信
    1. Oniwa Natsuo 投稿作成者

      tomoさん、

      決してガイド顔負けではありませんが、お役にたててよかったです。
      natsuo oniwa

      返信
  2. vine

    シュトゥットガルトに出張中です。まさにお書きの通り自動車関連で来ています。

    大変参考になりました。

    日曜日だと、観光案内所がやっていないという罠にはまりました。(笑)
    しかし、山腹の建物が目に留まり、そこをGoogleMapで目的地にしたら自然に階段の入り口につくことができました。

    趣深い建物が多くとてもよかったです。

    日曜日でなければ商店街も開いていたでしょうからそこだけが悔いるところです。

    返信
    1. Oniwa Natsuo 投稿作成者

      vineさん、

      自動車関連でシュツットガルト出張とは、まさにビジネス冥利に尽きるような羨ましい旅行ですね。
      ビジネスでは週中の街歩きは難しいかと思いますので、
      それに代わって夜の街を堪能されると楽しいと思います。

      シュツットガルトはとても気に入った街なので、
      またいつか私も再び訪れてみたいと思います。

      返信

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