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リタイア後に忍び寄る「家計インフレ」には要注意!

      2017/05/08

ここで言う「家計インフレ」とは、世間の物価が高くなることではありません。
一旦は生活水準の切り下げに成功した、その後に「まあ大丈夫そうだから」と、ジワジワと生活水準が上向きになり、気づくと家計が想定以上に膨らんでしまっている、こんなリタイア後の生活水準のインフレーション(膨張すること)のことです。

我が家では、今まさに家計のインフレーションが起きていて、総合的に家計をコントロールしている私の立場としては「困ったことになりそうだ」と、警報レベルが「黄色」の状態なので、参考までにここに解説を試みます。

家計インフレが起きる理由・・・
私の家庭では、夫婦二人で年200万円生活は一応の目途がたちました。まだ国民年金保険料を支払っている年齢なので、年間二人約38万円の出費がそれにかかりますが、数年後に任意加入期間も終了するため、その後はある程度余裕を持って夫婦二人で年200万円生活できる“目途がたっている”状況です。

現在既に個人年金の年払い分収入が200万円あり、65歳からは夫婦二人で約250万円の公的年金収入がある予定なので、理屈の上では「もう生活費は足りた」状態です。ただ将来の介護など費用は無視できないから2千万年程度の余裕は持っていますが、実際はこれを上回る貯蓄があります。さらに私も妻も個人事業(自営業)や株式投資などの収入が毎年あり、だいたい二人で年間150万円から200万円の収入が別にあります。

結局「夫婦で年間二百万円生活を目指すぞ!」と言っておきながら、少なくとも現時点では「使えるお金」は必要額を上回るので・・・
「そんなに我慢した暮らしにしなくていいじゃないの・・・」と、妻は「生活を緩めよう(家計インフレをさせよう)」みたいな運動の芽がしだいに育っていくのです。これは生活の改善をしよう、の意味ですから私も無碍には拒めません。

今まで2年間に育ってしまった「家計インフレ」は・・・
私の家では
・同居している社会人独身の子から徴収していた生活費をゼロにした
・犬をまた飼い始めた
・水道水飲んでりゃ済むのにウォーターサーバーをレンタルした
・妻の生け花が復活した
・誕生日、クリスマス、バレンタインデーなどのプレゼント習慣が復活した
・毎月一度は外食しようじゃないか、という流れになった
ザッとこんなような具体的家計インフレが起きました。

これら上述したような家計インフレの問題点は・・・
一度それが始まると、もはや止めることが難しくなる点です。
止められないから家計は膨らんだままこの先ずっと続くことになり、60歳前後のリタイアメント世代が生きているかもしれない今後30年間を想像すると大きなお金が家計インフレのために消えていきます。これがもしかしたら介護費用など必要予算を蝕むことになるかもしれません。あるいはそうではなく、妻が言うような生活改善ができてめでたく終わるかもしれない、予測が立てにくく、さじ加減がよく分からない、無碍に拒めず、手放しで受け入れることも気が引ける、なんともモヤモヤさせるのがリタイア後の家計インフレなのです。

私は上述した具体的な家計インフレの例を、どれもこれもやりたくありませんでした。
一旦始めたら簡単に止められそうもないことは分かっていたからです。
私としてはこのような継続的に続く楽しみではなく、たまに海外旅行に行く、たまに高級レストランで食事する、高級な家具など一度買えば一生ものを買う、など一時的で連続しないもので、普段の生活ではない「特別な日(モノ)」にお金を払う作戦を推しましたが、妻の意向は「それはそれ、普段の生活の質を高めるのは必要でしょ!」と言って聞きません。

家庭内の力関係もあって、私の意向で押し通せないから妥協して「ほんとうに大丈夫かなぁ?」と計算してみると、果たして「大丈夫」となります。なぜなら、犬を飼うこともウィーターサーバーをレンタルすることも、それらひとつひとつは余裕資金に影響を及ぼすほど高価ではないからです。

でも隠れた問題は・・・
一回許すと次から次へ「アレも、コレも」と追加インフレ項目が出てくる危険性がある。これは大問題です。

我が家では「二匹目の犬を飼いたい」だとか妻が言い出しています。
私は別の理由をつけて飼い犬を増やすこと絶対阻止の構えですが、このように最初は少しの生活改善でも、それが蟻の一穴になる危険性を保有していることは確かです。

妻にしてみたら、私のアーリーリタイア前に家計の引き締めに“うかつにも”協力してしまったから私のアーリーリタイアを許すことにつながった。そのため「毎日夫が家にいる不愉快な生活」を余儀なくされたから、今回の家計インフレは、そのリベンジなのかもしれないです。そんな匂いがします。家計インフレを阻止しようと私が動くと妻は過激なまでに応戦してきます。

このための家庭マネッジメントは容易ではありません。
家計インフレを阻止しようとすれば夫婦の雰囲気は悪化し、妥協して許せば家計はすぐに緩々の状態になって最悪貯蓄を過度に取り崩すか、自分の「お楽しみ」でやっているネットビジネスが不本意にも家計費を稼ぐための手段に降格させられる危険性も潜んでいます。

マネッジメントは難しいですが・・・
妻の行動を観察すると、妻は自分のアルバイト仕事が忙しい時期はあまりアレコレ言い出さず、休みが続くと言い始めることを私は知っています。昨今も妻がインフルエンザで二週間仕事が休みになりましたが、その間に「二匹目の犬」をまたもや持ち出しました。今の犬が一匹じゃかわいそうだとか、少し大きくなってしまった犬なら安いし、子犬にかかった費用も多分かからないから「ねえ!いいじゃないの!」とさんざんやられました。

さんざんやられたので私は妥協の許可を出しそうなほど追い込まれましたが、これをやったら我が家の家計インフレの堰が切れそうだと踏ん張りました。

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それで今回は危機を回避しましたが・・・
今後も妻の仕事が休みになる度に脅かされるでしょう。

私としてはこういう家計インフレを防ぐために海外旅行を充実させようと画策しています。
海外旅行は一週間など国内旅行より長期になるから犬は飼い難くなります。それに海外旅行が楽しければ普段の暮らしは質素で我慢して旅行費用に回そう、という機運も出てきます。

それに海外旅行はお金が不足なら延期すれば解決します。犬を飼ったら餌や狂犬病注射を延期するわけにいかないのとは違いますから家計インフレは起きません。すべて「計画経済」で足ります。

いろいろ書きましたが・・・
言いたかったことは年金と貯蓄でリタイアメント生活を成り立たせることは「一時的な倹約・節約生活の成功」では済まないですよ。継続的な家計インフレを防ぐやりくりが必要なのですよ、ということでした。

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