リタ研ブログ 大庭夏男の早期退職法

リタイアメントの生活改善研究ブログ

気楽でなければリタイアではない

      2017/05/08

昨日のNHKニュースで興味深いことを言っていました。
離婚や配偶者との死別は、そうならない既婚者より脳卒中になるリスクが26%高くなるらしいということです。更にもっと注目すべきは離婚や配偶者と死別した人が子どもと同居していたら、そうでない既婚者に比べて脳卒中になるリスクは45%程度高くなると言っていました。
↓↓↓
NHKニュースの上記詳細説明へのリンク

ここから言えることは・・・
ひとつめは「簡単に離婚することは早死にするか身体に障害が出やすい」
これはそうか!と思い易いですが、
もうひとつ「子どもと同居は慎重に検討して判断すべきだ」は少し意外な感じも漂います。

一人暮らしは寂しいとか、親と一緒に住まないと親不孝だ、という定説が世の中にありますが、この説とまったく逆行する「可能性」を上記のレポートは如実に示しています。なので意外感が漂います。また逆に「子どもと同居したら脳卒中に成り易い!」と単純に思い込むことも危険だと思います。

人はそれぞれ違う環境にあるし、個性も一見似て見えても千差万別、十人十色です。だから、あの人は子どもと一緒に暮らすのはダメだけど、この人は子どもと同居した方がいい。個人ごとに、他人がどうしたこいうしたという例を参考にせず、自分はどうだろうか?と冷静に考えて自分一人で答えを出すべきだと私は思います。

では何についてどのように考えたらいいのでしょう・・・
自分自身が離婚や同居によってストレスが有りそうか減りそうか。これを冷静に考えて、できれば短期間の試行実験をして判断した方がいいです。

冷静に考えるときのコツは「きっとストレスは出るだろう。子どもと同居したら嫌なことは何があるだろうか・・・」とネガティブ思考を行うことです。
「きっといまく行く!」というポジティブ思考じゃなくて「必ず嫌なことが起きるだろう。それは何だろう」と考えるのがポイントです。
こうやって考えるといくつか仮想のストレス要因が思い当たるかもしれません。
たくさん思い当たったら、もうその同居や離婚の構想は止めた方がいいでしょう。必ずそれらの心配は現実のものになります。

いくら考えてもそんな心配は思いつかない人、あるいはそもそもそのような想像が不得意な人は、実際に似たような疑似体験を少ししてみた方がいいと思います。
離婚したい人はしばらく別居生活してみる。子どもと同居したい人は、一か月ぐらい一緒に住んでみる。
離婚手続きをする前に、あるいは家を売って同居を始める前になら、試してみて「やっぱりストレスに満ちている」と思ったとき、離婚や同居の計画は中止できます。もし一線を乗り越えてしまってからに比べると簡単に中止できるでしょう。
もはや元には戻れない・・・となったときのストレスは絶大で、脳卒中につながるのも私はよく想像できます。

ストレスとは厄介なもので、
今のストレスと、まだ現れていない想像上のストレスを比べると、今のストレスを過大評価してしまいがちです。離婚したら今よりマシだろう。子どもが居るなら安心に決まっているだろう。こう考えてしまうでしょう。それは間違っている可能性が大きいです、ということを前述のNHKニュースは暗示しています。なにしろ顕著に脳卒中発生率が上がっているのですから。

ここまで私は一気に迷うことなく記事に書くことができました。
その理由は、アーリーリタイアすることも同様だからです。

アーリーリタイアをなぜしたのか?の問いに、私はストレスから解放されて自由になりたかったから、と明確に目的を答えられます。

ではアーリーリタイア後は、私の場合はどうだったか・・・
1.会社に勤めるストレスは無くなりました。
2.反対に退職後しばらくは「会社に勤めない」ストレスが上がりましたが、これは半年も経つとどんどん減っていきました。なのでこれは大したこどないストレスだったと“私の場合は”言えます。
3.想像しなかったのが、リタイア後3年目ぐらいから妻によるストレスが増加の一途です。妻も“夫(私)が居るストレスが増え続けている”と証言しています。

これらのアーリーリタイアで消えたストレスも新たに起きたストレスも、上述の離婚や同居のストレスとカタチがよく似ています。

今のストレス要因から離れると、別の新たなストレス要因に襲われ、その新しいしいストレス要因には、時間薬が解決してくれることもあるけど、どんどんストレスが増大する「悪性ストレス」があります。

おそらく離婚すると孤立すると問題ではなかろうかと想像し、同居では「昔のように素直ではなくなった子ども」と「歳とってガンコになった親」の間に怒りと我慢が生まれるからなのではないでしょうか?
リタイアメントの老夫婦でも、家庭内家政婦役だった妻と、ATM男子(稼ぎを持ってくる役目)だった夫が共に役目が終わるのがリタイアメント生活なのだから、怒りと我慢が生まれます。

離婚や同居、それにリタイアは簡単にそれをすることを決めない方がいいです。
それぞれ自分に合っているのか?自分の性格や置かれた状況をふまえて、よくネガティブ思考で考え抜いて、出てきた心配に対してそれぞれ具体的にどう対策するのかを決めてから実行するなら実行すべきだと強く思います。

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リタイアメントに限って言えば・・・
リタイアして喜んでいる人は別にして、リタイアを後悔している人が次のストレス原因になる離婚や同居に直面したら「リタイアして寂しくなった」のような今あるストレスから抜け出せると安直に考えるのは禁物です(リタイアメント生活を喜んでいる私でさえ夫婦のリタイア後生活はストレスはあります)。

ここで「何とかなるさ」と離婚や同居を決断したら、ストレスの上にまた新しい強力なストレスを積み上げることになる可能性があると上述NHKニュースは囁いているのです。

リタイアするとは余生を暮らすことですから、ストレス少なく、残った最期までの期間を楽しく過ごさなければリタイアする意味がありません。
リタイアも離婚も同居も、十分に考え抜いてテストして大丈夫だと確信が持ててからです。
そうでないと人生最後に脳卒中に襲われてしまう確率が45%も増加します。

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