リタ研ブログ 大庭夏男の早期退職法

リタイアメントの生活改善研究ブログ

やりたいことが無くなっていく図式

      2017/06/15

アーリーリタイアしたら、仕事のことは一切忘れて、やりたかった事を思う存分するぞ!
しかしリタイア後にうまくハッピーリタイアメント軌道に乗って暮らせる人は、たぶんこの中の全員ではないような気がします。なぜなら、アーリーリタイア希望者は“お金のことばかり気にして、他のことをあまり考えていないような気がする”からです。

大庭夏男はアーリーリタイアして8年目になりまして、最近では知人や近所の方々にもアーリーリタイア、もしくは「ゆるい仕事」してお小遣いを稼ぐ「セミリタイア」をやっている人だと情報が漏れ出したので、たまに「どうやってアーリーリタイアしたの?」と聞かれることがあります。

もし興味本位でしかも揚げ足取りだとの懸念が無ければ、私は彼らとの会話に乗ることもありますが、話していると「こりゃブレーキをかけなきゃアカン!」と思わされることがだいたいいつもです。

まず話していて「ブレーキかけなきゃ」と思い起こさせるのは、上述したように、お金の話ばっかし、なときです。

確かにリタイア後に働いた収入一切なしで生活が継続できる資金が無ければアーリーリタイアは絶対無理だし、先々もその資金が不足なら65歳過ぎたって働いてからの「レイトリタイア」は余儀なくされます。これはあたりまえなことで、この必要額がいくらか?については自分の家庭の“今後の推定家計費”プラス“余裕資金額”で決めるしか確かな方法は無いです。

話しかけてきた人の多くは、この話をするとたいていアタマが沸騰するらしく、ついにため息をついて話をやめてしまいます。

でも、この「将来の必要資金計算」は避けて通れません。避けて通ってしまっている人は、多額の幸せな年金でいうもの暮らしに足りていると、もう体感済みな人々と、預金が減る恐怖に耐えて生きている人々ぐらいでしょう。しかし預金の減ることは本当は恐怖ではありません。それが分かるために「将来の必要資金計算」は助けになります。

しかし、本当はお金と同じぐらい真剣に考えなきゃならない「リタイアして何するの?」について突っ込んで考えていない現状!ってものが会話しているとだんだん赤裸々になるのが「コイツぁブレーキかけなきゃ」と思う瞬間なのです。

たいていの人(と言っても片手で数えられるほどの人数が私が話した全数ですが)はここがたいへん漠然としていて、何が何だか雲を掴むような話をするので、こちらがついて行けません。

中にはやりたい事は見えている人もいますが、私が言いたかったことは「もしその“やりたい事”がやれなくなったら?」ということです。
「やりたかった事がやれなくなる」、これはたいへん重要なリスクだと思います。

もし、やりたかった事が一つだけだったら、それが消えたら他に何もやりたい事が無い毎日が退屈で、リタイアの後悔の毎日が待っているだけかもしれません。仮にやりたい事が複数あってもリスクは消えません。それらが次々に消えるかも知れないからです。

次々に「やりたい事」が消えるしくみは、たとえばこうです。
1.誰も注目しないから
会社を辞めて趣味三昧の場合、最初はいいです。今まで飢えていた趣味に毎日没頭できます。が、やがて「これをやってどうなるんだ?」と思う日が来る可能性があります。その日が来ない人もいます。私はかつて電子工作が大好きで趣味でしたが、これは結婚後に辞めました。妻をはじめ誰もが興味を示さないし、私が面白いと思う以外に何も起きないし、その「面白い」も短時間で「もういいや」に変わり、作ったモノが邪魔になったからです。

2.やり難い環境になってくるかもしれないから
仮に誰かに注目されるような楽しみだったら続くでしょう。と私は考えまして、海外旅行をブログ化することにしました。これだとブログの読者ができて、コメントが入るから「注目されている」ことが肌で実感できます。が、最近の世界情勢の変化、つまりテロとか危険なデモによって、海外旅行がためらわれるようになって来てしまいました。海外の旅行中に危ない目に遭うのは怖いから、気ままに行きたいとことに行きにくくなりました。まだ海外旅行をやめてはいませんが、もしリタイア後は世界中を飛び回るぞ!と意気込んでいたならば、今頃私は意気消沈していたでしょう。

3.こんなハズじゃなかったと思わされるから
セミリタイアでのはなしです。私の最初のセミリタイア手法は、有償でボランティアすることでやろう!と思いました。好きなことと収入が両方得られるから「こりゃいいわ!」と考えたからです。しかしこの手法は頓挫しました。有償ボランティアは、相手にとっては「まあ少しはお金を渡してもいいか」程度の考えだったようで、お金ができてから、とか、少ない額で、などの下心が元々あって、アルバイトのように毎月契約で決まったお金はいただけませんでした。「終わったら払うよ」です。しかし反面、約束に無かったアレもコレも手伝わせられて、まるで「業者」の様相になってきたし、私がやりたくない事まで含まれるようになったので、ある日脱出しました。これで私の期待はオシマイでした。このようにやりたい事が消えて無くなることもあります。

上述は私の体験なので私個人の特殊事情ですが、他の理由で好きな事ができなくなる事情は人によりいろいろ発生しそうだ、という可能性はかなり大きそうです。だから「好きだからといっても、それが長続きすると思わない方がいい」と私は言いたいです。

では「好きでもやがて消える」のならどうすればいいのか?
ここが一番のリタイア後の生活で肝心なことです。
たとえ消えても、次から次へと別な「好きなこと」を見つけ出せる自分なりの手口を持つということになるでしょう。やり方は人それぞれだと思いますが、しかも言い古された表現をするしかないですが、それは人脈と好奇心だと思います。

人脈はサラリーマン時代の人がそのままリタイア後も引き継がれる人数はどうしても限られるので、リタイアしてからの新規開拓にウェイトがかかることになるでしょう。今までと違う世界にも「バカバカしい」と食わず嫌いしないで入ってみることは大事です。そこで面白い人材に出会うことがあるからです。

もっと大事なことは、具体的でなくてもいいから、リタイアしてからの「進め方」の構想を持っているのか?とうかということが、私とリタイア話した人々に関してはそれが見受けられなかったので、暗に「今はアーリーリタイアしない方がよくね?65歳まで待ったら?」と水を差すことになりました。

例外的に一人だけ順風満帆にセミリタイアしている人が知人にいますが、その人はおそらく自分はリタイアメントだと思っていないでしょう。私にリタイア話して来たことがありません。その人は仕事していますが「収入は自分のお金」なのだそうで生活費は貯金と年金でやっていると言っていましたから大庭夏男と同じだと私は思っています。おそらく実際的に好きなことをしている人は、自分の好きな事で仕事して稼いでいて、しかも顧客が居るから長続きしているのかもしれません。これも私から見るとセミリタイアの一種です。

リタイア暮らしは、働かない!とは思わないで、好きな事で稼ぐ「セミリタイア」を当面続けるような話がもっとできるようになればと思っています。

SponsoredLink

 - リスク回避