リタ研ブログ 大庭夏男の早期退職法

リタイアメントの生活改善研究ブログ

生き方を変えたくなければリタイアしない方が・・・

      2017/05/08

職業を変える、専門を変える、会社を変える、こういうことは嫌なものだし、もし余儀なく変わらされてしまったら、人によっては悲劇と思うほど大変なことでしょう。もしこのような「生き方」を変えたくなかったら、いくらお金が溜まったとしても「会社を辞めて悠悠自適・・・」をしない方がいいでしょう。

なぜならリタイアメントになることは職業と専門と会社をいっぺんに変えるような劇的ビフォアアフターになるからです。逆に言うと、生き方を変えられて育った人は、既に変化への適応力を持っているので、この点についてだけは急にリタイアメントになったとしても大丈夫!と言えると思います。

しかし当ブログでは何度も書いているように、会社を辞めてリタイアメントになることは一つの要素だけでOKとはいきません。資金、家族の理解、リタイア後の自分の生き甲斐など、複数要素が影響します。「生き方を変える」はこのうち家族と自身の生き甲斐に関係しますから、影響力が大きいです。

多分、多くの人は「生き方を変える」ことがどんなに大変かは分かっていて、その大変な経験をしたことがある人も、経験は無いけど想像することは簡単にできる人もいるでしょう。
ただ、「大変」の中身は、「変わることは努力が大きすぎる」ことと「変わることは怖い」の二つに分けられると思います。

このうち「変わることは努力が大きすぎる、だから生き方を今更変えたくない」は実際その通りです。まさに積み木崩し、新しいことに向かって一からやり出すのはすごく努力が要ります。やむを得ない理由で新天地へ赴任したり転職した人はその大きな努力を身に染みて感じることができます。なので会社員は人事異動の季節になるとソワソワした気分になります。新しい一からの努力が、また現れることに内心恐れて、少しの恐怖を感じることでしょう。

「今年の人事異動は免れた・・・」
ラッキーな人は、またしばらく同じ職業で、同じ専門で、同じ仕事環境で暮らせるから安堵するのですが、毎年毎年上述の異動の恐怖が来ますから、漠然とした不安に苛まれるようになって、見えない恐怖感がだんだん高まっていく。そういうことは私にはありました。

「ここまで努力したのに、今更変えられてたまるか!」
と、長く同じ仕事を続けてきた人は、ある日突然リストラになったり、突然でなくとも定年を迎える頃には憂鬱な気分になってしまうのは無理ないことです。

私は30歳を少し超えた頃に、この劇的な生き方変更に遭遇してしまいました。以前は機械技術者で、心底「この道一筋」と考えていたのに、ある日上司から「あんたは異動」と、畑違いの人事っぽい職場へ送り込まれることになりました。今までの技術屋の専門性は無し、私の不得意な「人間関係」がテーマみたいな新たな職場。私はこの異動にすごくガッカリしてしまいましたが、当時は異動に従う以外に代案が思いつかず、仕方なく新しい職場で、まさに一から仕事を始めました。

もし、私がこのときの異動が無く、引き続き機械技術者を続けていたならば、きっと今も同じ会社で同じような仕事の延長をしていて、アーリーリタイアなどには手を出さなかったと思われます。

幸か不幸か、私はそのとき新しい畑違いの職場へ強制連行されてしまったから、いい歳して一から再スタートの経験をしたおかげで、生き方を変える恐怖が緩和されたと思います。少なくとも「この会社でなら、どんな職場にまた送り込まれても“それなりに”やって行ける」雰囲気になれました。これは決して仕事ができる人間になったのではなくて、どの職場に入ってもやって行けそうな“処世術が身に着いたような気になった”。つまり職業能力が高まったのではなくて、異動への恐怖心が麻痺した、のだと思います。実際、その後の度重なる異動先職場で私は「アイツはデキル人だ」と言われたことはありません。

これは凡人には仕方のないことです。一業専心できずにアレもコレも付け焼刃でやって来たから能力も結果も発展途上中に打ち切りなのです。賢人以外の凡人なら、畑違いの異動を繰り返すと、誰でもこうなることは目に見えているでしょう。だから仕事や職場が変わることに対して漠然とした恐怖感が広がります。

幸い「この道ひと筋」を長くやってきた人は、たとえ凡人であっても専門とするところについては「余人をもって代えがたい」特別な人材になることができるでしょう。そうなると人事異動には引っかかり難くなるから、ますます「この道一筋」に磨きがかかり、末永く会社で同じような仕事に従事できるような状態になります。

こうになった人は、おそらく会社を辞めてリタイア生活を新たに始めることは、とても困難と苦痛を伴うと予想します。私にはその経験は無いので断言はできませんが、私のブログに検索エンジン経由で来る方々の、検索キーワードを毎日観察していると、そんな苦悩があるのだろうと思われる言葉が散見できます。

私はこういう高い専門性を持つ“仕事環境を変えた経験が無い人”は、リタイアを検討するのではなく、迷わず同じ専門分野で再就職に向かう方がいい、と思います。リタイアメント生活とは、確かに会社は辞めるけど、毎日の暮らしを辞めるわけではありません。リタイアメント生活という新しい“畑違いの暮らし”を、一から経験を積み重ねることになります。しかし前述のように新しい経験をし始めることは大変で、しかも50歳や60歳という若くはない年齢では思考の柔軟性と好奇心が低下してますから余計に新たなことが難しくなるでしょう。それより今まで積み重ねた「この道」にさらに磨きをかける方が得策なのではないか、と考えます。

最近では政府の推し進めている「柔軟な働き方」の効果なのか?週休3日や4日の、専門性の高い仕事は、たとえば下記リンク先記事のように探せばあるようなので、そんな再就職に矛先を向けるのもいいのでは?と思います。
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週休5日で月10万円! 賢い再就職先探し

逆に言うと、いろいろな会社に転職したり、畑違いのいろいろな職種を転々としてきた人はリタイアメントになるための能力は、かなり高まっていると見て間違いないです。そういう人は「会社で稼ぐ」という先入観念を取っ払うだけで、少なくとも「リタイア後には何をしたらいいですか?」のような疑問には短時間でアイデアをいくつも出すことができるのではないでしょうか。

なので、職種を転々としてきた人は、リタイアメント生活ができる能力があります。

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ただ、間違わないで欲しいことは、
能力があっても、資金と家族の理解と、リタイアしてから何するのか実行プランが無ければ、リタイア後の生活は、毎日することが無い退屈で苦痛な日々となってしまうこともあり得ます。ということです。
できれば実行プランは退職のずっと前から少しづつやり始めることがもっといいです。そうするとお父さんのリタイアについて、家族の理解はマシになると思います。
リタイア後資金についてはそれと関係なく、必要分を溜めなければ話にならないことは間違いありませんが。。

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