実はハードルが高い在宅リタイアメント 、その理由と対策
2017/05/08
夫婦二人、あるいは子どもが同居している世帯では、会社を辞めてリタイア、特に65歳まで待たないアーリーリタイアの場合では、家族から何かと風当りが強くなることがあります。
「働ける年代なのに会社に勤めないお父さん」という存在は、日本では世間的に異端なので、風当りが強いのは仕方がないのですが、その原因の多くが「(働いていないように見える)お父さんが自宅に年中居る」ことに起因していると見られます。
その理由と対策を考察いたします。
おとうさんが年中家に居ると、家族は何が不満と思うか?
1.ご近所さんに格好悪いから
ご近所さんにとって「他人の不幸は蜜の味」です。
「あのお宅、ご主人どうも会社辞めちゃって、家に居るらしいよ!」
これはご近所では大スクープ!日頃大した話題がのぼらないご近所界隈にとってまさに垂涎の「事情を聞きに行くべき話題」です。当然妻はその取り調べを受けることになる被害者。いくら「主人の長年の夢で、アーリーリタイアが実現したんです」などと言ってみても「本当の理由はなに!?」と相手はなおも食い下がるでしょう。そんな不本意なご近所の取り調べの餌食になるのが家族にとっては格好悪く、嫌なのです。
2.友人や知人にお父さんが勤めないことを説明できないから
女には「女子会」という懇談会があります。歳に関係なくいくつになっても女友達の仲間は変わらず、それが時としてお互いをいたわるあまり「どうしてそんなアーリーリタイアを許したの!?」と質問のような意見のような言葉をする、されることがあるみたいです。
この質問は十中八九「アーリーリタイアは常識人のすることじゃないわ。あなた何か困ったことがあったの?」または「よっぽどお金貯めたの?」なのだろうと想像できます。
この裏がある質問にうまく答えることは難しいです。
いくら「主人の念願で・・・」と言ってみたところで相手は決して理解できません。妻は何度もそんなやり取りをするのは嫌になったから、アーリーリタイアの話題が出ないように気を使うのが大変だと証言しています。
3.お父さんに気を使うから
普段会社勤めしていたお父さんには分かり難いことですが、お父さんが家に居るということは、家族に必要以上に気を使わせることになっています。これはお父さんが想像する以上の強いストレスを家族に与えるようで、まさに居たたまれなくなることがあるそうです。
お父さんからしたらほんの些細な・・・
例えば、3時になったからお茶を入れて、お父さんも呼ぼうと思ったけど、お父さんは二階の自室でパソコンに向かいっ放し。声を掛けていいのか、邪魔になるのか・・・
毎日このような状況が続くと、家族はかなり大きなストレスをい受けます。
4.「自宅に居るなら・・・」と期待しても実現しないから
「お父さんがいつも家に居るなら・・・」
買い物を頼もう、
料理を覚えてもらおう、
掃除は任せよう、
ご近所さんとも親しくなってもらおう。
どうも主婦の妻という立場では、こんな発想があるみたいです。
ところが、肝心の会社を辞めたお父さんは、妻の期待に遠く及ばず、買い物は間違え、料理はできず、掃除品質は的はずれ、ご近所さんには煙たがられ状態になる確率が高いです。
それで「期待は裏切られた・・・」と挫折感を妻に抱かせることになる。みたいです。
5.そもそも「定年までは家に居るもんじゃない」と信じ込んでいるから
日本の国民的合意は「定年まで会社勤めのハッピーリタイア」
それ以前にリタイアするのは変わり者のレッテルを貼られます。
ただ以前は確実に「60歳定年」でしたが、名目上の会社の定年は60歳でも、再雇用制度や65歳年金受給開始の影響で、まあリタイアしてもいいんじゃないかなぁ〜という年齢は65歳になってしまった印象があります。今後これが70歳まで上昇するのは時間の問題でしょう。
家族は「変わり者家族」と呼ばれたくないから、いくらお金が貯まっていても「末永く勤めてちょうだい」となること間違いないでしょう。
では、定年?前に退職してリタイア生活を送るには・・・
1.事実上の起業をする
立派な起業でなくとも、年収として「格好がつく」収入があり、家計に充当できるような「身の丈起業」を退職後に始めるのが王道と思われます。
ミソは「収入を家計に入れる」。つまり生業として商売をすることで、こうしている限り自他共に認める「働いているお父さん」になります。世間の人もアントレプレナーと思うでしょう。
ただ、本物の起業人になりたい人は別にして、リタイア人としてこの手法を取るのは簡単ではないかもしれません。起業には小さくない努力が伴うからです。
2.偽装する
それならいっそ、事務所を借りて、その事務所で好きなことして日々を過ごし、夕方に帰宅したとしたら??
事情を知らない第三者視点では、まったく無駄としか見えませんが、これにより前述の「家族の抱える問題」は払しょくでき、快適な好きなことライフが実現できます。
事務所を借りなくとも空き家になった実家利用も選択肢だし、朝はスーツを着て街を彷徨い歩き、夕方に帰宅する強者もいます。
3.外国暮らしする
海外に出ると不思議に「自由な気分」になることができます。
そのノリで海外に住んでしまえば前述の問題は表に出ることがまずありません。昨今は円安のために多少資金がかかるようになりましたが、東南アジアのリゾート地ロングステイは、前述問題を潜在的に抱えるリタイアメントにはいい選択だと思います。
ただ課題は、その地で何をやって日々過ごしますか?ということに尽きると思います。私の場合はこれを考え抜いた結果、日本暮らし継続を選択しました。
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4.我慢して耐える
残る対策は「耐える」です。
耐えていると「耐性」がつき、周囲の関心も下がり「あの人はああいう人」と理解も進みますから、日々快適度は向上します。
私としては、アーリーリタイアしたら急に周囲は騒がしくなった・・・と思っても、あまりジタバタしないで日にち薬が効いてくるのを待つのがいいと考えています。