リタ研ブログ 大庭夏男の早期退職法

リタイアメントの生活改善研究ブログ

セミリタイアする「正しさ」について

      2017/05/07

「町内会」の話し合いでのこと、ある伝統的行事を少し変えようとの話し合い中に「そんなことは正しくない」と言った人がいました。なぜその人は「正しくない」と言い切ったのでしょうか?根拠はなんでしょうか?そんなことを考えていたら・・・5年ほど前に、ある主婦から早期退職して再就職しないなんて間違っていますよ!と私は言われたことを急に思い出しました。その後私の耳にそういう話は舞い込まないようになりましたが、妻は仕事先の職場同僚から、いまだにその類の早期退職間違っていますわよ!論をぶつけられるそうです。

聞き流すことができる人ならいいのですが・・・
聞き流せない性格の人は「これこれしかじかなので間違ってはいないのですよ」と言い切れる「根拠」を持っておくことが心の平和に役立つだろうなぁ、と町内会の会議中に本題そっちのけで思いを馳せていました。

では「正しい!」と言い返せる「根拠」はどう作ったらいいのでしょうか?
そのヒントになる「作り話」は以下です。

昔々、選挙で選ばれた大統領が国を統治している当時先進のA国がありました。その国の近くには暴君の王様が支配するB国があり、石油がたくさん出ます。A国の大統領はB国に攻め入って石油がを自分のものにしたいと考えましたが、自国が有利になるからといって、勝手に他国を滅ぼすことは間違った考えです。他の国々がそれを許しません。
そこで大統領は考えました。もしA国がB国の王政を滅ぼしてB国の国民に大統領を選ばせるような「民主国家にすることは良いことだ!」といいアイデアを思いついたのです。このアイデアには他の国々も賛成です。あの王様のやり方は間違っている!と黒い噂があったからです。B国でも反対するのは王族だけです。なぜならB国の民衆は王様の圧政に苦しんでいるからです。そこで大統領はB国に攻め入ってめでたく国を滅ぼし民主国家に改造させ、その結果A国はB国から毎日たくさんの石油を安く買えるようになり、両国は幸せになった?のでした。

この作り話では、最初にA国がB国に攻め入ろうとした目的は「石油が欲しい」でしたが、ついでに副産物として「王様が失脚したら民主国家ができる」というのがありました。

A国大統領のアイデアは、副産物と目的をひっくり返した、ということです。
「B国をA国の助けで民主国家にする」のが目的で、その副産物としてB国から石油を安く手に入れることができるようになる。このようにすれば以前が避難されたであろう「攻め入る」という行為が、「B国に民主国家をもたらせれば、ついでに自由貿易ができるうようになって石油が安く買える」。このように他国から支持される「ただしいこと」に変えることができるのです。独裁政権を倒して民主化を手助けするのは「正しい」?と一応そういうことになっているからです。

「会社を辞めてアーリーリタイアしたい」「セミリタイアしたい」という欲望を叶える初期の手順も、この作り話の応用で、それを多くの人が「間違っている」と言っても「いや正しい」と言い返すことができる可能性があります。

アーリーリタイアやセミリタイアをする本当の目的は「自分の好きなことを好きはときに好きなようにやってこの先死ぬまで暮らしたい」という実にわがままな欲望なのでしょう。「わがままを押し通すことは間違えだよな」と自分でもそう思ったとしても、もしその行為を実行して別の副産物が得られるようなら、上述の目的と副産物をひっくり返して「俺がセミリタイアするのはただしこと」だと家族を含む他の誰もがそう“無理やりに”理解させることができる“可能性”があります。

副産物の一番大きなものは「家族の誰かを助けるため」ではないでしょうか。
そんなものあるか!と思われるかもしれませんが、あり得ます。
介護や育児や弁護や防御、
もしかしたらアーリーリタイアする自分が立ち直れないようにならないために、という自己防衛という「自助のため」というのもあり得ます。

さらにアーリーリタイアやセミリタイアを始めることで「生活の質をあげる」という副産物もあるでしょう。仕事のために今まで家族と一緒に暮らせなかった人が、家族が「一緒に暮らしたい」との願いを叶えるために、とか。

ただし、何がいったい副産物なのか?は人によって家族によって、あるいは親戚や知人、会社などの環境条件によって千差万別です。いろいろ副産物がある人もいるし、残念ながら見当たらない人もいるかもしれません。たった一つしかないけど他を納得させる強力な副産物を持っている人もいるでしょう。

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このような「良い副産物」のことを英語でオポチュニティーと言います。
本来の目的以外のオポチュニティーをいくつも見つけて提案することはプロジェクトマネッジメントの中の「提案の段階」では重要な事柄です。
アーリーリタイアやセミリタイアも、それを達成するまでは「プロジェクト」ですから、自分の場合のオポチュニティーをいくつも見つけることが成功に良い効果をもたらすでしょう。

これからアーリーリタイアかセミリタイアを考える人は、できたらオポチュニティーについて考えてみたらいかがでしょうか。

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