リタイア失敗の仕方を考えておきましょう
2017/05/08
「○○したら」とか「××すれば」などという発言を「タラレバ」と言い、ビジネス業界では「あるまじき発言」と抑制されています。が、タラレバは本来、状況が変化したらどうする？を予め考えて、そうなったらどうするのか、予め考えておこう、という趣旨のものですから決して悪い考えではありません。
ビジネス業界でタラレバを軽視するのは、半分の確率でそれを言い出したヤツをうざいと思うからです。残りの半分は本当にタラレバで抵抗されているから。
あえてリタイアする場合のタラレバを考えることを薦めたいと思います。「もし自分のリタイアがうまくいかなかっタラ」「やりかかったことが軌道にのらなけレバ」
人が会社を辞めてリタイアメント暮らしを決める事情はさまざまで、いったい何がタラレバになるのかもそれら事情によってマチマチです。しかし大雑把には以下の理由のどれかに属するのではないでしょうか。それらのタラレバによって「失敗した〜」がやって来る前に「失敗したらどうする」を先に考えておくと挫折しません。
１．リタイアしたらやることが無くなってヒマでしかたがない
リタイア後に心配になるダントツはお金のことだと思いますが、ここでは「失敗した〜」後の対応策が簡単なものから書いていきます。つまり「ヒマになる」の対応策が中でも一番簡単ではないかと私は考えています。それでも私の知る限りリタイア後の何もやることが無い苦しさに耐えられない人はたくさん居るようですから、リタイア後の失敗はどれもバカにはできません。
リタイアしたら「料理を習おう」「写生を始めよう」と趣味を始めることが常套手段のひとつです。これによる失敗は「やってみたけど面白くなかった」「俺には無理だ」「飽きた」など。要するに５０の手習いは必ずしも身に着くとは限らないのです。別の趣味を探し求めてもまた二の舞です。
こうなったら、たとえば・・・
かつての経験の中から解決策を予め考え、それを実行すべきです。
（１）もういっぺん再就職して会社員に戻る
人によりこれは可能。それは無理と考えるなら契約社員、アルバイト、ボランティア活動など「組織に加わって与えられたお仕事をする」という世界にカムバックすることを意識して、ときどき情報を仕入れておくべきです。
（２）馴染みの居酒屋に通う
酒でも飲んで仲間と話ができる環境があることはたいへん助かります。場所が居酒屋でなくても気の合う老人仲間！でもいいでしょう。要するに何もやることが無くて寂しい気分を“ごまかしてくれます”。こう書くとネガティブですが、実際に居酒屋で飲んで騒いでいるとき、至福の喜びを感じたことはありませんか？「酒を飲んでディスカッションする」という趣味もあります。
２．お金が足りなくなった
もう迷うことなく、四の五の言わず上に書いた再就職の道を選ぶしか多分ないでしょう。「やることが無くてヒマ」よりずっと重症の失敗ですから“有事の際には迷わず再就職”。
ではどういうところに再就職できるの？を年に一度ぐらいは用もないのにハローワークで調べてみるのもいいかもしれません。私だったら人相手は苦手だから、遺跡の発掘だったらいいなぁ、など。
人によっては「自宅を担保に借金して生活資金を得る」がいいかもしれません。最近はリバースモーゲージが、やろうと思ったらできるらしいので、どの会社のどの商品を選択できそうか、調べてアタリをつけておくのはいいことでしょう。実際にそれに手をつけるかどうかは別にして。
３．リタイアしてから、やるせない
さらにもう一歩たいへんな失敗です。この「やるせない」を放っておくと精神を病むかもしれません。この“症状の走り”がもし現れたら、なんでやるせないのか自問自答が必要です。自分じゃ認めたくないけど「会社生活が懐かしく愛おしく忘れられない」かもしれないし「妻がいつも不機嫌で困らされる」あるいはその反対で妻が“夫原病”になってしまったということもあります。
よい対策は人によって違うでしょう。ある人は再就職がベストであり、別の人は夫婦別居生活が良い選択かもしれません。
４．会社を辞めて始めた事業が軌道に乗らない
私はこれが最大の失敗だと考えます。会社員が自分で事業を始めると決意するとき、相当に不退転の決意で取り掛かります。本当はそうする必要も無いのに気負い込んで「勝負！」などと構えます。勝つ場合はここで言う必要がありません。問題は負けたらどうするのか？です。不退転の決意で負けると上に書いた全ての問題が一気に降りかかってくる“大災害”になるかもしれません。
その対策方法をここで書き連ねることはできません。
ただ、言えることは・・・
上述どのケースもそうですが、○○年にもしそういう問題に突き当たったならば、迷うことなく「このようにする」を決めておくことです。
○○歳までに、生活資金が不安域に入ったらなら、あるいは趣味が板につかなかったら再就職する、など。
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この○○歳というのは自分の年齢をよく考えて決めることが大事です。アーリーリタイア後であれば「５５歳で再就職」はアリだと思いますけど「７０歳で再就職」というのは・・・限りなくナシではないでしょうか。でもリバースモーゲージで生活資金を手にするのなら７０歳でも大丈夫でしょう。
これらは完璧ではなく、「そんなこと言っても８０歳でお金が無くなっタラ」と、さらにタラレバを続けたくなりますが、完璧なものは絶対にできません。でも少しでも「考えていレバ」何も考えていないよりマシです。