リタ研ブログ 大庭夏男の早期退職法

リタイアメントの生活改善研究ブログ

会社を辞め難いのは周囲がみんな、そんた君だから

   

会社を辞め難い理由の大きなひとつは、最近にわかに知名度が急上昇した「忖度」でしょう!身の回りには忖度じょうずな「そんた君」や「そんたさん」がいっぱい。そうだと思われることを私の退職経験からピックアップしてみたいと思います。

1.会社の一大事に退職すると弱虫レッテルを貼られるんじゃないかとの忖度
当時、私の勤務した純国産の製造業を営む会社はたいへんな経営危機に晒されていました。その経営危機にはいわゆる不祥事が絡んでいまして、私は中間管理職として労働組合員にはやらせない「尻ぬぐい作業者」を担当し(させられ)、その不祥事炎上の火が下火となった頃、消耗して後先を考えずに会社を飛び出しました。このときまさに「おまえは脱走兵」と言われ、比ゆ的に言うなら石持って追われるようにその会社を後にしました。

2.無職の父親・夫はさぞかし肩身が狭いのではないかとの忖度
そのように家族が感じるだろうことは忖度(場の空気を読むと書いた方が分かり易いかも)に慣れている日本人なら忖度できます。だから辞めた後は家族にムチャクチャ言われませんでした。私が今まで行った2回の退職のうち、最初の第一回目退職では妻も子もただ耐えているようでしたので、私は当時家計の余裕が十分でなかったことから、それを家族が酷く気にしていると考え、再就職しました。しかし家計の貯え十分だと思った52歳でのアーリーリタイア決行判断のときには、私はもう安心だろうと思ったし、家族もそう不安顔していませんでしたから「空気OK!」と思いましたが、これも私の空気読み違いだと後になって妻は言いました。

3.働けるのに働かない人は近所から「変」に思われるという忖度
これは実はハードルが高いことです。「変」と書きましたが個性的な人ねという変では済まされず、きっと問題がある人間に違いないと考えられる対象になり得る重大な「変」です。これは噂で根拠に乏しいはなしですが、近所で事件が起きると警官はまずその地域の「働けるのに働かない人」から調査を始める、というまことしやかな噂を何回か聞いたことがあります。だから退職して再就職していないとご近所さんから「変な人」のレッテルを貼られるんじゃないかとの空気感が強く漂い、これは容易に消せません。

まだ他にもあります。
たとえば、一旦会社から離れてしばらくそのままいると二度と会社に復帰できなくなるという説。会社から離れたら孤独になり、そのまま引きこもり人生に転落するという説。このようなことが次々と頭を過り、その結果アーリーリタイアは「空気読んだために」実行不可能になる。こう進だろうことはほぼ間違いないからです。

ではなぜ大庭夏男はアーリーリタイアできたのか?
他人目線を気にしない大物だったから? 違います。
誰もが「あの人なら」と認める大金持ちだったから? もちろん違います。
そもそも忖度・空気読むができない人だったから? 少しアタリです。

本当の理由は、私が会社を辞めた理由は「起業するから」だったからです。

それを当ブログをはじめ大庭夏男ブログで「アーリーセミリタイア」と表現している理由は、好きなことを好きなやり方でしかやらないビジネスでの起業だったので、それを「起業です」と言うより「セミリタイアです」と表した方が他の方々に納得がいくだろうと考えたからです。

だから私は分類上は「起業家の個人事業主」です。

税務署に開業届を出して青色で確定申告して利益が一応は出ているから「個人事業主」とか「自営業」の肩書きは一応ホンモノです。

この肩書があると上述した3番目の「働かない変なヤツ」の暗い空気はすぐに除去できます。「ああ!いつも家に居ると思ったら、そういうわけだったのね!」とみんな自営業の空気をすぐ読んでいただいて合点してもらえるから日本は便利な忖度の国です。
実態はあまり稼げない(無理までして稼がない)起業家だから「実態働いてないんちゃう?」と妻からの目は厳しいですが、2番目の「無職で家族が肩身狭い」も雰囲気はだいぶ緩和されます。実際に私が消費するぐらいの「お小遣い」は自分で稼ぎ出せているので「まあお金は大丈夫や」と家族を安心させることができているからでしょう。

ただ、いかに自営業になると宣言しても、仮に栄転の晴れ晴れした転職であっても、会社の一大事に去っていいくとき良く言われない問題は残ります。会社の一大事でなくてもふつうどこかの部に属してその中のタスクをやっていたわけだし、会社の中はいつも忙しいという暗黙の了解があるから、その忙しい最中に担当タスクを誰かに押し付けて去ってしまうことは、誰か一人ぐらいはきっと良く思わない同僚が出るものです。

この「辞めていくヤツは脱走兵」呼ばわりされる問題は自己都合退職のときに大なり小なり出ますから、自己都合退職ではあまりハッピー退職になりません。大袈裟に言うなら「勝手に辞めて出て行った不届き者。もうこの会社の敷居をまたぐな」と扱われるのではないか?との忖度を、自己都合退職では感じます。

しかし会社都合退職ではこの忖度をしなくて済みます。これがリストラ退職の大きな利点。ハッピー退職ができるという点で、リストラ退職はあながち捨てたものではありません。

私は自己都合退職した前前職の会社にはもう近づきませんし、人のつながりも完全にありません。しかしリストラ退職した前職の会社は、もうその会社も清算して存在しませんが、今でもたまーに同窓会します。

その他、
ご近所付き合いというのは、さすがの私も日本で暮らすのであれば避けて通らない方が良いと考え、町内会などの地域活動に参加することも始めました。
ご近所付き合いは避けて通れないのではなく、実際は避けて通れます。しかし・・・
私の近所にも近所付き合い一切しない高齢者の主に男性はたくさんいますが、その方々のお顔をスーパーやコンビニや道端で観察すると、ほぼ例外なく無表情で怖そうに見えます。

このように思うと、外国はどうか知りませんが日本という社会では、自分は気にしなくても周囲の人は実にこまやかに空気読みまくり、たとえ事実と違っても間違った忖度して「あの人はこうね!」と勝手にレッテル貼られてしまいがちです。それを辞めようかどうしようか迷っている当人もよく忖度できているので、結局会社を辞めない方向に舵を切る場合が多い、そう私は思います。

これはきっと「会社を辞めたてリタイアする」と考える人にはついてまわる現象でしょう。

だから辞めたい人はリストラか60歳の定年退職を機会に「会社を辞めて起業する」にしたら辞めやすいと思います。

起業を目指したことにして、結局うまくいかなかったから・・・となし崩しでリタイアするというテクニックもあるかもしれませんねぇ。。

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