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仕事は保守的、副業には攻撃的

      2017/05/08

こんな記事があります。
20から30代社員の約7割は仕事「保守的」、出世を望まない人も約4割いるのだそう。しかも3割は副業に手を染めたことも・・・。
http://news.mynavi.jp/news/2014/07/23/029/
2種類あると思います。悪いケースと、そうでないケース。

悪いケースは“言う間でもない”ので、わざわざ説明も要しないから書きません。多分そういう人を指して「保守的」と言うのでしょう?

もうひとつのケースは多分“先々の自分の生活を見据え、あえて出世せず、副業を育てている場合”
これが良いケースになり得るのか?
まず30代が今後年金を受け取る時代になると、受け取り額の“価値”が目減りしてしまい、現役所得比で40%台になってしまうと厚労省が試算しています。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/06/28/pension_n_5539873.html?utm_hp_ref=japan
年金だけで生活することは困難になるというか、非現実的になる公算が大きいです。なのでいつまでも続けられて会社に頼らない“手に職”候補の副業を育てることは理にかないます。

また「出世」が成功するか失敗するか、やって結果を出さなければ判断できません。そのための“涙ぐましい努力”は会社の経営不振や買収など、天災のような要因でボツになることもあり不確実です。であれば会社の収入一辺倒に希望をつなくのではなく、収入の分散化を考えることは投資で言うところの「卵をひとつのカゴに盛るな」と同じ正当な考え方だと言えます。

以前のサラリーマンモデルは「会社一筋」しか考えられませんでした。

会社一筋の代表的イメージは、若い頃は下積み仕事に汗を流して現場の熟知と人間関係を築き、それなりの年齢で管理職に登用され、いわゆる「ひとを使う」仕事とともに給料も右肩上がりという具合でした。

あえて説明する間でもなく「ひとつの会社に定年まで勤める」ことと「給料の右肩上がり」期待は、アタリマエではない状況になっています。これでは上述した会社一筋モデルは必ずしも成立できません。下積みでの現場熟知はその会社固有のノウハウが主なので、そのまま別の会社で通用できません。人間関係も会社が変われば当然ゼロから立ち上げ直しです。さらに管理職は会社を離れたら管理するべき人がいなくなりまからツブシが効きません。

なので、会社一筋で成功を収めるためには絶対に会社での出世競争で勝つことがどうしても必要です。勝つためには単に仕事に努力のみならず、機をみて有利な部署や会社へ移ることや、どこでも通用する万能なビジネスノウハウを身に着ける必要があります。コネや上司に“可愛がられる”という曲芸も要るかもしれません。

せっかく努力したのに順調に昇進できず給料も上がらない場合が無視できない。

それでも人は末永く会社で働き、定年後も再雇用や再就職で収入を得ています。これは「会社勤めは安定的な収入が得られる」という、会社員の特性を活かした良い選択と言えるでしょう。とても現実的な選択肢です。しかし昔からある「まじめに会社で働いていさえすれば食べられる」という保守的な考え方の一種という気がします。

これだけが選択肢ではありません。最初から出世レースには乗らないという選択肢があります。つまり「会社勤めは安定的な収入が得られる」という会社員の特性に早い時期から気づき、それプラス会社外の収入を得る別のスキームを「副業」として独自に開発して育成するという手口です。

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出世するためのエネルギーは使わず、会社では守備範囲の業務と、副業や生活全般に応用可能なスキル習得に特化した努力だけは怠らず、むしろ副業に残した力を注ぎ込むスキーム。当然給料は上がりませんが副業が育つなら合計個人収入額は成長し、トータルで右肩上がりになる可能性はあります。

この方向に向けて、会社の仕事はあえて「保守的」に振る舞う。ただ副業でそれなりの収入を得ることは簡単でなく長期間かかります。しかし一旦副業ノウハウが身に着くと定年が無い「死ぬまで収入」の道も開けますから、年金が目減りするのもこの収入でカバーできるでしょう。

このように決心する若手社員がいたとして、その人ははたして真に「保守的」でしょうか?
私は現実的だと思います。

しかし世間がこんな現実派?タイプの人々に嘆く気持ちも分かります。会社はまだまだ「会社一筋」に全力を尽くしてくれるタイプの人に期待しているからです。この期待はなかなか無くならないでしょうし、日本の出世の神様はそのような会社一筋全力投球タイプの人に微笑むでしょう。

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