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ドイツで、思ってもみなかったこと

      2017/05/08

海外旅行は、街中にたくさんの驚きが転がっているみたいです。

1.日本との、違いが分かった電車事故

シュツットガルトで、滞在二日目の日に、電車事故に遭ってしまいました。

私どもの乗ったUバーンという路面電車と地下鉄を合わせたような市内を走る電車が、自動車の側面に衝突しました。ゾンネベルク駅を発車してすぐ前方で何かにぶつかった音がして電車が急停止し、妻は危うく座席から前に転がるところでしたが、幸いスピードがまだ出ていないときだったので衝撃はあまり激しくなく、居合わせた乗客は全員無事でした。

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しばらくして運転士からドイツ語で何かアナウンスがありましたが、他には何も説明の続きがありません。他の乗客は何人かは前まで様子を見に歩いて行きましたが、すぐに歩いて元の座席に座り、雑誌なんかを読み始めました。何も無かったように席に座ったままの人も多かったです。

そんな状態で20分ぐらい経過したら鉄道会社の車が来て、その後ろから消防車も到着しました。鉄道会社の人が電車のドアを外側からノックして、多分「ドアを開けてくれ」と言ったのでしょう。近くの乗客が非常コックのレバーを操作してドアが開きました。

するとそこに居た乗客は、何事も無かったかのように順番に静かにドアに置かれた階段を使って下に降り、そのまま歩いて帰路についたように見えました。誰も騒ぎません。鉄道会社の人も「誰か怪我人はいませか?」とも「気分の悪くなった人は申し出てください」とも「振替乗車券を渡します」とも何にも言いません。ただ皆黙々として乗客は歩いて帰り、鉄道会社の人と消防隊は何か相談している、という光景があるばかりでした。

よくは分かりませんでしたがパトカーはまだ来ていないように見えました。事故は踏切で起きましたからそこを走る道路は通れません。日本では駆けつけた警官の一部はすぐに交通整理を始めると思いますが、ここでは事故から30分ぐらい経過しているのに交通整理もありません。でも走って来た車は事故で道が通れないのを見ると、その場でUターンして次々と引き返して行きました。これも整然とした光景でした。

もし日本で鉄道事故に遭遇したら、かなり違う光景でしょう。

おそらく5分も経たない間にパトカーやら消防車、救急車が駆けつけ、怪我人の有無を聞きまわり、綱を張り、交通整理が始まり、鉄道会社はお詫びを連呼し・・・とそんな光景が広がるのではなかろうかと想像します。

なんでドイツではこんなに静かな整然とした事故現場だったのか?いつもこうなのか?ドイツ人は慌てたり騒いだりしない性分なのか?様々に想像しましたが、後でドイツ人の友人に尋ねてみてもよく分かりませんでした。「俺は今までそんな事故に遭ったことないから分からんな。おまえは珍しい体験したな!」と言っていました。多分人的被害が無かったからというのが、皆冷静にしていた大きな理由なのでしょうけれど、やっぱり日本とドイツの習慣の違いも多分にあるでしょうね。

この事故の翌日、シュツットガルト駅のUバーンを運行する鉄道会社の窓口には長い行列ができていましたから、あれは多分切符の払い戻しだったと思います。

まさかドイツで鉄道事故の初体験をするとは夢にも思いませんでした。幸い事故を起こした車の人も外を歩いていましたから、物損だけで人的被害は無かったのでしょう。不幸中の幸いでした。

さらに事故を起こした駅から私どももホテルまで歩ける距離だったことも不幸中の幸いだったと思います。それに、この事故では怪我は無いけど“怪我の功名”で日本とドイツの違いも見ることができました。

2.勉強家、カフェとベンチと列車内

ドイツで目についた印象的な風景は、公園のベンチやカフェで分厚い本を広げ、極めて真面目顔でそれを読み続け、しかも表紙の固い上等そうなノートにメモを取っている人の姿です。

これらの風景はシュツットガルトでも見ましたが、カールスルーエの街ではもっと。そこからの帰りの電車内でも向かい側の席に座ったちょっと年配に見える女性も、車内でずーっと分厚い本を読んでいるのでした。

カールスルーエには大学があるので、多分帰りの電車はそこの学生が多く乗っていたのだと思います。断片的な観察で、ドイツ人は勉強熱心だという証拠にはならないかもですが、私は彼らの行動を見て「だからドイツの科学技術はレベルが高いはずだ!」と一人合点しました。

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カールスルーエや同じく大学の街のテュービンゲンにはそのような勉強をしたい人を支えるような「勉強したくなる場所」がたくさんあります。どこのカフェでもたいていテーブルは満席ではないように見えたから、カフェに入って行けば長時間本を読むことは難しくないでしょう。レストランでは昼間からビールを飲んでいる人も多かったから、あそこじゃ勉強できないかもしれないけど、どこも静かな雰囲気で、それらのテーブルを使って客が本を読もうが話をしょうがパソコンを広げようがお店は構わないように見えました。

公園のベンチにも自転車を横付けして本を読んでいる人の姿はたくさんありました。

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ベンチで昼寝している人も居ましたが、ここではベンチで昼寝が定番ではなさそうで、ベンチで読書が定番みたいに見えます。

いったい彼らは何の本を読み、何について勉強しているのかは、不明なままでしたが、この風景を眺めていると自分ももっと本を読みたくなるから・・・きっとこれは旅行がもたらす悪くない自己暗示効果です。

他の場所に行って、そこの良い部分を知って参考にするのが「観光」の元々の意味らしいので、そういう意味ではドイツで私が感じたことは多分「観光」目的に合っていたのでしょう。

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