リタ研ブログ 大庭夏男の早期退職法

リタイアメントの生活改善研究ブログ

有償ボランティアは、業者と同じポジション

      2017/05/08

ボランティア活動でお金をいただくのはありがたいですが、その代償もあります。私は有償ボランティアを探すなら、素直に再就職かアルバイトの方がいいと思いました。

四番目のボランティア活動はまさに地域住民活動と言える「町おこし」への参加です。
その町は私の住む町ではなくて、よその町。
そこの町の有志がイベントで町を盛り上げることを画策し、偶然その関係者の一人が知人であったことがキッカケで「イベント企画を有償で手伝う」という形態の仕事をすることにしました。

その仕事の報酬は地域振興助成金という地方自治体からその町が受け取る資金によって賄われるので、企画という仕事は結構重要は位置付けにあります。
私の知人はイベント企画だけでは物足らないと考えて、独自でさらに地域の資源を活かして、できることならビジネスに仕立てたいという野心を持っていたことも私がその仕事に魅力を感じたところです。しかしビジネスは「自分の都合の良いときだけ」は通用しません。

開始から足掛け1年間はかなり有意義でした。
婚活イベントや首都圏の大学からわざわざ学生を招集して町おこしゼミナールも開催できて、私はこの仕事をこれからメインにしてもいいぐらいだと思っていました。
ただ気になることは「企画の仕事を引き受けますよ」と明言しておいたのにもかかわらず、それ以外の打ち合わせや仕事にも「出て来てもらいたい」と言われるのです。
私は一旦それらを引き受けると、ズルズルあれもこれもと仕事が増えるのではないかと懸念しました。仕事が増えたらお金も余計にいただける、そういう「労働時間契約」を知人と紙面で約束してはいましたが、助成金がそう潤沢にあるわけでもないし、なにしろ町の有志の方々はみな無償のボランティア参加でやっている中で、私と知人だけが有償というのは「本当に仕事が労働時間契約」でやれるのかどうか疑問を感じました。

更に悪いことにその頃、私の親の体調が思わしくなくなり、私は足しげく親元に向かうことになり、町おこしに熱心にはなれなくなってしまいました。「なにしろ家族のことを優先にせざるを得ないから仕方がない」と私は楽観的に考えていましたが・・・その頃から、いつもなら次回の予定がメーリングルストで送られてくるのが、ある日からまったく送られて来なくなり、知人からの連絡も無くなってしまいました。

私はボランティアなので私の都合の許す範囲で、と活動を考えていましたが、もしかしたら「アイツ仕事を請け負ったクセに出て来ないようになった」と“仕事を切られてしまった”のかもしれません。

ハッキリとは切られた理由を確認しませんでしたが、私も私事とは言え、仕事ができなくなったわけなので、知人に電話して「もう仕事は無理だから、今までの労務費は半分だけ貰うから、あと半分は寄付する。だからこれで町おこしの仕事は終わることにします」と伝えました。
知人は一つ返事で「了解」。給付金が降りるまで支払を長いこと待たなければなりませんでしたが、請求した分のお金は受け取りました。事情は分かりませんが、思うようにやってくれないのなら「もういいよ」ということだったのでしょう。

このように、「有償ボランティアとしてやりましょう」と仕事を引き受けても、相手は自分の仕事にどう期待しているのか分からない場合もあります。さらに「ボランティアは空いた時間を使って仕事をするもの」という私の勝手な解釈は、私以外には通用しない「偏見である」と思うべき、というのがこの活動の教訓でした。相手にしてみれば私は業者と見られても仕方のないことです。

これもやってから分かったことですが、有償で仕事をしようとするからには、よっぽどやり方を考えて仕事しないと、好きなことを思うようにはできない、ということになります。なので、私はもう「有償ボランティア」の道から手を引くことにし、私のやりたいことはこの方法では叶わないと判断しました。

それで見直したボランティア活動が、一番最初に参加した、当時は「仲良しクラブ」だと一度は離れようとした里山再生のボランティアなのでした。<次回に続く>


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