リタ研ブログ 大庭夏男の早期退職法

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察知可能な自分のリストラ対象可能性

      2017/05/08

「自分ははたしてリストラ対象になるかどうか?」
冷静に社内を観察していれば微妙な変化を捉えて、およその察しはつくものと思われます。

ふつうリストラのウワサが広がると「自分は避けられるだろうか?」が気になるだろうと思いますが、私の場合は逆で「もし自分がリストラ退職できなかったら、この先また仕事を続けるヤル気が出るだろうか??」と心配になりました。もうリストラを機に退職を思い夢見るようになっていたのです。なので少し特殊事情がありますが「自分がリストラ対象?」は察知可能です。

「自分がリストラ対象」の予兆現象

上司の視線、表情、態度が急に変わる

ある日、いつもはぶっきら棒な態度をとる日本語ペラペラな、かなり日本文化に傾倒した外国人上司が私のデスク横に、わざわざ来て「最近仕事の調子はどう?」みたいな会話を始めました。表情はニコニコ。コーヒーを片手に二三分雑談した後に去っていくとき、ウィンクまでしていました。

この男は日本採用なのですが、会社のある本国国籍人ですから、それなりに役員と親しいのでしょう。だから情報が早い。多分私がリストラ候補だと知らされて興味を持ち、様子を見に来たというところではなかったのかと思われました。

その上司の部下も表情がニコニコに

部下は日系も外資も上司にゴマを擦るもの。上司もオフのときには知った情報を喋りたくなるもの。そういう傾向はどこも似ています。前述上司の直近部下はかねてより私の業務用PCを標準品に変更させたがっていました。「早くデータ保存してPCを取り換えるようにしろよ」といつも私はその男に言われていましたが、事情あって繰り延ばししていました。私はやっとPCを変更できる余裕ができたので「そろそろいいですよ」とその男に言いに行くと「あー、あの件もうちょっと待ってもらえないかな。こっちがちょっと忙しくなって・・・」とやっぱりとびきりのニコニコ顔でそう言うのでした。

『コイツはあと2か月で退職の運命だから、PCは退職したときに返却させればそれで済む』私がその男の立場で、私のリストラ対象者になることを知り得ていれば、まさにこの説明をしたことでしょう。それにニコニコ顔をして。これから不幸が訪れる(リストラと聞いたら“不幸だ”と思うものです)人に直面したら、相手が既にその不幸をまだ知っていないと思われる段階では、笑顔になってしまうようです。『まだ私も何も知らないので、こうやって笑っているのですよ』という潜在意識が作用してニコニコ顔に表情が自動的に変化するのではないでしょうか。

私の場合はこのリストラ計画で廃止されてしまう部署には在籍していませんでした。しかし発表では全社に渡って人員を削減すると案内されています。そうした場合、外資ではどのように選別するのか?私がその時点で想像するのは難しいことでしたが、やっぱり年齢が高くて給料をたくさん貰っている人から優先的にリストラ候補になるだろうと、自分が人事担当になったつもりで考えると、私自身がリストラ候補になることは極めて自然に思えてきました。

自分のかかわるプロジェクトが計画変更になった

自分がメンバーとなっているプロジェクト計画が見直されて『これは間違いなく自分がリストラ対象だ』と確信を持てるようになりました。プロジェクトの規模や期間、人員数が縮小されました。再計画を見て、どのタスクが誰にアサインされるかを考えれば、そこに自分が含まれないであろうことは一目瞭然で分かります。

退職条件通達メールから対象者は読める

リストラ計画発表から2週間後に退職条件が書かれたメールが社員全員に送られて来ました。そこには今後全員と面接を実施して、そこで対象者には告知をすることと合わせて、期限内に退職提案に賛同してくれた場合は特別支給の退職金を支給するとありました。
その退職金の支給条件を見て、私はちょっと意外でした。というのは年齢が高いほど支給額が多いからです。

日系企業では年齢が高いほど退職金が上積みされるのは珍しくないと思います。まだ年功序列が残っているからです。しかし私の勤めていた会社は完璧な外資。実力主義一本槍の外資です。私よりも年下で上のポジションの人はザラでした。だからてっきり外資では年齢と退職金支給額は関係が無いだろうと考えていましたが、実際は年齢連動でした。

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これは私に限っては実に朗報でした。なぜなら会社がこのように特別退職金支給の仕組みを決めたということは“年齢の高い人を重点的に退職させたがっている”と見ているからだと考えられるからです。退職インセンティブが大きければ、人事部としては面倒なく高年齢社員から辞めてもらえる。私が人事部長で高齢社員から辞めてもらう計画を任されたら、間違いなく同じようにするでしょう。

そう考えると、既に50歳を超えて、その外資企業では上からウン番目の高齢になっていた私を人事部は退職候補者リストに載せないわけがない。そう考えたのでした。しかもそれは当たっていたのでした。

<次回に続く>

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