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自給自足は難しすぎるから、自給節約ぐらいでどうか

      2017/05/08

「会社を辞めて自給自足生活で生きていく・・・」という言葉は、とても魅力的です。私もそうしたかったし、もし何か劇的なチャンスが舞い込んだら、やってみるかもしれません。実際に今から20年前に「いつか会社を辞めて起業したい」と考え始めたとき、最初に頭に浮かんだ起業のイメージは農業でした。
ですが・・・

自足までする自給生活はハードルが高すぎる

自給自足を扱った本やサイトを見るとその殆どが「田舎に住んで農業をする」パターンとなっています。少数で農業の代わりに漁業というのも見ましたが、どっちにしろ“田舎”の広い農地に薪や綺麗な水、採れたものを分けあえる地域共同の生活という存在が欠かせないようなのです。

その中でハードルが高いだろうものが地元地域での共同生活ではないでしょうか?地元社会の慣習や“村の掟”に馴染めたら問題無さそうですが。元々その地元に住んでいる人でなければこれは難しそうです。とても高い、多分私には越せないハードルだと冷静に考えた私はそう思いました。なぜなら、当時勤めていた会社の“組織の掟”に馴染むことすら私は反発心を感じていたからなのです。

農業=自給自足とはならない

それにしても田舎に住んでいる方々がみな自給自足生活をしていないのはなぜでしょう??もし自給自足暮らしが、誰もが憧れるほど魅力あるものならば、田舎に住む人はみな競うように自給自足生活を極めてもいいと思うのですが・・・

都会に暮らす人と比較したら、田舎に暮らす“農家”は、あきらかに自給率が高いと見えます。もしかしたら積極的に農業収入で生活を営んではいない人を私は見たのかもしれませんが、そのような“農家”と言うよりも“本格的家庭菜園家”では、市場出荷用の田畑とは別に自宅のすぐ横に自家の田畑を備え、そこでまさに自給用の農作物を育てていました。元々プロの農家だから家庭菜園の農作物も大きく育って立派。その家の方の話によると、野菜も米も自家用に特別念入りに美味しくなるよう育てているのだそうです。

ただこの農家の方は自分が自給自足生活しているとは決して思っていないです。野菜は自給できても車は自分で作れない。自宅も自分で建て増しするわけにもいかない。病気も自分じゃ治療無理。などなど現実的に、今の豊かになった日本で自給自足生活で生きて行くのは事実上無理なのだから、いくら思い描いても“自足できるような自給生活”はできない相談なのです。

自給節約生活なら20年後にも困らない

しかし田舎の家庭菜園的農家の生活を眺めていると、私の生活より自給率が高い暮らしをしているのはまず間違いないことなので“自給は家計節約のひとつ”と発想を変えたら、田舎生活しないで今住んでいるところで出来ることはあります。それにお金をかけない生活をするために、田畑で自家用野菜や米を育てる式の“自給率の高い生活”は、歳とって体が言うことをきかなくなったら、いっぺんに吹き飛ぶ危険もあります。
自給は節約のひとつだと考えて、ほどほどの自給を考えるようなことでもいいのではないでしょうか。

私の前々職は製造業でした。当時の生産現場は“カイゼン”が盛んで、現場で生産設備まで自作(これも自給の一種?)し、生産現場ごとに自作設備の競争状態になっていました。
ある日、その中の現場の職長の一人がボソッと「カイゼンなんて障子を張ったり襖を直したりする程度のことをやっていればいいんだ・・・余計な事を・・・」と吐き捨てるように言っていました。私は「なんで?」と聞いてみたら、生産現場のカイゼンで作る機械はうまく動いている間はいいけど、故障したら作った人でないと直せない。まったくメンテナンスのことなんか何も考えてないから、カイゼン活動で自作した機械より、専門メーカーが設計して作った機械の方がどんだけ気が休まるか・・・。みたいなことを吐きました。

要するに生産現場のカイゼンは、障子を張ったりするような“簡単なことで、誰でも見れば真似できるようなこと”だけで十分で、それ以上に複雑高度な、機械を作ってしまいようなことはかえって後で困ることになる。と言いたかったのでしょう。これに対する反論はいっぱいありますが、この職長の言ったことも的を射ています。「今やろうとしていることで10年後とか20年後はどうなっているのか想像して、それでも困らないことをした方が良い」と読み替えることができます。

この教えを自給自足生活に当てはめると、憧れの「田舎に移住して自給自足生活」を今始めてしまって、10年後、20年後に何が困ると予想できるか?と考えることです。
私の場合だったら、もし田舎に住むのなら新興住宅地の自宅は売って田舎に移り住まなければならない。いずれ高齢者になったら農作業はできなくなる。私の子供は間違いなくそれを引き継がない。そうすると今のような買い物生活に戻ることになるけど、激安スーパーなど近所に無いだろう。バスや電車に不便では困る。という具合に考えて、今住んでいる場所で自給で節約することを模索し始めました。今から15年ぐらい前からです。

その“今住んでいる場所で自給で節約”で15年間にやったことの満足度と節約度の評価を順を追って説明していきます。

1.自給節約に貢献度大きい! DIY「手作り」
2.野菜は1年の計、果物は10年の計
3.自給の雰囲気満点but節約できずの雨水利用
4.節約は無理!太陽光発電


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