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自給の雰囲気満点but節約できずの雨水利用

      2017/05/08

雨水利用の節約効果は確かにありますが、問題は「お金をかけ過ぎずに、どうやって雨水を貯めるか?」です。

趣味的満足度★★★★★
家計節約度 ★☆☆☆☆
「雨水利用」は環境に優しくて誰でもできるという、好イメージと取っ付き安さ?のためか、市町村の上下水道局が補助金まで用意して「ぜひ、やってね!」と働きかけていることがあります。ネットで「雨水タンク」とググってみると体裁のいい雨水貯蔵用のタンクが見つかるし、そのような雨水利用を展示しているところもあります(東京都の例:墨田区雨水利用室http://www.city.sumida.lg.jp/sisetu_info/siryou/kankyou_hureai/amamisu_siryousitu.html)。

雨水タンクを設計して自作しました

雨はまさに天からの恵み。なにしろ日本は平均年に1700mmを超える降水量があるそうで、屋根の面積が100平米としたら170立方メートル、17トンの水がタダで手に入ることになります。これを利用して“水の自給”をしない手はないだろう!そう私は思い込んみ、10年ほど前に水タンクを裏庭に自作しました。
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水道水の単価はざっくりバケツ一杯1円程度なものだから、そのコストを元にして、いったいいくらのタンク製作費をかけたらペイできるか?まで計算して、5年で元がとれそうなタンク製作費は5千円とはじき出しました。ここまで計算したところで「こんなんじゃ、大して節約できやしない・・・」と、意気消沈気味にもなりましたが、本当にそうか確かめてみたくもなり、コンパネを購入して風呂桶みたいな水タンクを自作することにしました。

設計の結果、最も容積が大きくとれて低コストな容量は500リットル。コンパネの合わせ部分には防水コーキング材を注入して水漏れを防ぎ、内側には防水塗料を塗りました。かけたコストは予算をちょいオーバーしましたが、とにかく屋根から下に伸びる雨どいパイプを伝って雨水がタンク内に溜まっていく音を聴くのはなんとも満足の行く“達成感”を感じました。

この製作のために、地域の降水量データを調べ、製作投資対コストの計算を行い、一番お金をかけずに貯水量最大となるうまい材料取りを設計するなど、けっこうたくさん頭を使うことができたので、完成して使い始めるのは実に楽しく、まさに“男の趣味”として雨水利用をやることは得るものが多いと思いました。

家計の節約にはあまり貢献しないということが分かりました

しかし一方、肝心の節約はできませんでした。アイデア倒れというヤツです。
計算したときから分かってはいましたが、5千円をペイするのに5年もかかってしまうように、水道水の料金はそう高くもないのです。それが家庭の水道料金ときたらスゴく高くなるのは、風呂、炊事、洗濯、トイレにいっぱい水を使っているためで、この量はふつうのご家庭では100平米の屋根で1年間にゲットできる雨水量のおそらく20倍にもなってしまうからなのです。雨水タンクで利用できるのは、雨が全部利用するのはできないので、家庭の使用量の100分の1にも満たないレベルでしょう。そんなもので節約効果はとても薄いというのが雨水利用で分かったことでした。

さらに、雨水はキレイに見えてけっこう汚れています。主な汚れは屋根上の鳥のフンや埃が原因ですが、雨水自体も庭にコップを置いて溜まった水を飲んでみたらスグ分かりますが、東京より空気がキレイなハズの地方都市でも妙な味がしています。この水をまさか炊事や洗濯に利用できません。洗車に使ってみたら後で半乾きの雑巾みたいなニオイがしました。結局残る使い道は庭の家庭菜園への散水ぐらいです。まあこれなら夏の3か月ぐらいは水道水を散水する量がかなり減らせるから一夏合計数百円の水道代は節約できるかも。しかしそれ以外の季節は散水する必要も減りますから、節約にならないのです。

まあ、しかし実際にやってみたからこんなことが分かったので、その努力の結果得たものは有ったということでしょう。私のこの経験は退職してからやったものではありませんが、男という存在は女性と比べて“オタク脳”が発達しているようです。上述のように補助金を調べ、降水量も調べ、節約できる金額を計算し、どのような雨水タンクを設置するか設計またはカタログを検討して、作る。これで退職後のヒマはだいぶ解消されることは、多分間違いないでしょう。


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