老後2千万円に殺されない生活日記

老後の安心感を追求するお金ブログ

年金繰り下げ活用 将来に円満生活を得て、相続税発生を回避する作戦

   

今年(2022年の月から老齢年金受給開始時期を満75歳まで繰り下げ可能にります。しかも繰り下げには特別な手続きが要りません。黙っていれば自動的に受給開始にはならず支給開始の手続きをするまで支給されません。なので年金は支給開始直前まで様子見可能です。

また75歳まで受給開始時期と受給額は65歳での受け取り金額に対して84%も増えるということになっています。将来これが変更になる可能性も無きにしも非ずなので気に留めておくことは必要ですが、この75歳まで繰り下げできる最先端の人は現在まだ年金のうち基礎年金か厚生年金かどちらか一方でも受け取りを開始していない69歳の人です。なぜなら現在もう70歳過ぎている人は受給しないと5年前以前の年金受給予定のお金は権利消滅してしまうから、まず間違いなく受け取り開始しているだろうからもう75歳まで受け取り開始延長はできないのです。

幸いにして75歳まで繰り下げが可能になった世代は、この制度を活かすか無視するか、自分自身で決める権利を持っています。しかもその期限は上述のようにほぼ70歳直前までに決めたらよいのです。

ふつうこの制度を利用する人の想定シナリオは、75歳頃まで働いて生活費を稼ぐ人だろうと思います

とにかく繰り下げしている基礎年金か厚生年金あるいはその両方は年支払われないのだから、ふつう75歳まで働いて生活費を稼ぎましょうという発想になるのは当然かもしれません。

しかし考えてみてください、65歳までは企業勤めする人は当たり前の世の中になりましたので75歳はその10年後です。生命保険文化センターが試算したら最低日常生活費は夫婦2人で平均月額22万円程度のようですからこれを賄う年金額は264万円。これで生活することが可能で65歳から74歳までの10年分では2640万円と単純計算できます。

この額を働いて稼ぐことは65歳以降の人には難しいでしょうか?一人で稼ぐことは難しいかもしれないけど夫婦共働きなら共にパートで働いて賄うことはそうハードル高くないでしょう。だから75歳までは働いて稼ぎ、75歳以降はフルに増やした年金生活で悠々自適暮らしをする。これは良い考えだろう思います。

でも退職金はすでに銀行とかに貯まっていますよね。これ使わないのですか?

使わない理由の一説は、有名な年金世代の2000万円問題があるからなのでしょう。
年金だけでは暮らせないから老後の貯蓄として最低でも2000万円所持しておかなければならないというもの。

しかしこの2000万円が必要になるのは月額22万円の生活費では暮らせないおよそ半数の年金生活者のはなしです。なぜなら上述したように「最低日常生活費は夫婦2人で平均月額22万円程度」なのですからその最低の22万円で暮らせる人は平均的、つまり全部の半数はそれで賄っている。だけど最低では暮らせない人が人口のもう半分いるからその人たちはおおざっぱに2000万円、人によってはもっともっと必要だ!ということになります。

ここで話題を月額22万円で暮らせる人口の半分の人に焦点を当てて書きます

22万円で暮らせるのなら、75歳まで繰り下げた年金を受け取るまではそれで暮らし、その後に増えたお金で優雅に暮らしたら?という提案です。

つまり74歳までは退職金を取り崩して生活費に使ってしまい、その後の蓄えを小さくしてしまう作戦が今日のテーマとなります。退職金だけが銀行に貯まっているわけでもないでしょう。苦労してコチコツ貯めたお金も貯めてあるだろうし、おそらく相続した遺産も入って来る頃が65歳以降です。だから10年分の生活費2640万円を超える蓄えを持っている人はそう珍しくはないと思われます。

これらのお金は、結局余らすのですか?

もし死ぬまでに使い終えないと、もしかしたら相続税を支払うことになるかも知れません。なにしろ相続税の基礎控除は3000万円 +(600万円×法定相続人数)です。もし2000万円は貯めた!という人がそのお金に手をつかないでいたら所有する家と土地を合わせたら基礎控除を上回ってしまい相続税が出ます。相続税は基礎控除を少し超えた程度ではそんなに気にすることは無いかもしれませんが、相続性申告手続きがかなり厄介です。

自分で申告書類を税務署に提出することだって出来ますが、果たしてその素人計算を税務署が信用してくれるでしょうか。私は懐疑的です。だから結局は税理士などに申告を代行してもらうことになり、払う税額より税理士への代金の方が高額になることは容易に想像できます。

早く現金預貯金を減らしておき、増やした年金でそこそこ贅沢な暮らしをするのはいかが?

貯めたお金はなかなか減らす決心ができません。特に歳が嵩むほど心配は増えるし、実際考える頭脳の力も減って来るのが現実でしょう。しかし75歳までぐらいならまだ暮らし方の工夫が継続できるとも思えます。

なのでまだ頭がシッカリしている70歳代前半までは22万円で暮らしとおす工夫を重ね貯蓄を減らしてスリムで相続税も土地だけ残るように終活する手があるのではないか!と私はそう考え始めました。

上物の家屋は立て直さない限り評価額は減り続けます。残るのは土地と、口座に残る受け取った年金のお金は想像する通りきっと100万円とかの金額になるでしょう。

年金は良いことに2か月毎に振り込まれるから最高に貯まっていて2か月分の年金額と少々です

75歳まで繰り下げした年金額は上述の22万円年生活者12倍の264万円が65歳時点での年金受取額だとしたら、それを75歳受給開始で85%アップさせたら480万円超になる計算です。

こうなるとゆとりある生活目標額月額36万円を上回る計算なので、75歳以降は2000万円の蓄えも不要になると私は思います。そうしたら銀行口座に入っているお金はきっと最高でせいぜい100万円。これで十分暮らしは回せると思うのですね。

そうしたらきっと自分が天国へ行ったあとに残る遺産は住んでいた土地がたぶん2千万円とか、それに上述100万円プラスアルファで合計2500万円とか。これなら他に多少有っても確実に相続税の基礎控除に納まるから自身を持って堂々と「申告する相続税はありません」と遺族は税務署に報告できるのです(相続税のおたずね書といいのが税務署から送られてきます)。だから税理士にお願いすることも要らないでしょう。

それに年金には一応「物価連動」という長所が備わっています

銀行預金にはそのような長所は無いです。物価が上がったら銀行預金も手持ちのお金も「目減り」します。

ただ年金もそう優しくはなくて年金資金やりくりの状態が悪いとマクロスライドという下押し調整機能もあるから物価に追いつかないことだって起き得ます。しかし微々たる金利が乗るという銀行預金は今後起きるだろうと推測されるインフレにはかないません。

私は多額のお金を銀行に入れておくことはマズいのではないか!?と懸念しています。だったら投資信託にしょうか、株で所持しようかと作戦を考えていますが、その中に今年4月開始の「老齢年金受給開始時期を満75歳まで繰り下げ」が運用候補として十分に入ると考えています。私はたぶんこれを採用すると思います。

そしたら私の個人資産は70歳過ぎにほぼ底を打ちますが

底を打っても大丈夫なように年金全部は75歳まで繰り下げしないでおこうと考えています。
年金と言っても基礎年金(国民年金)、厚生年金があり、それぞれを別々に繰り下げ期間を選ぶことができ、さらに同様なことが妻の年金にも当てはまります。つまり合計8通りの繰り下げ(繰り上げないも入れて)パターンができます。

何年何か月繰り下げると増額がどうなるかは日本年金機構のサイトに一覧の早見表が載っています。
これを元に受け取りの直前までアレコレ計算して考えることができます。

65歳直前までに基本姿勢は決めておくのが良いです

繰り下げて年金受取額が増えたら、それはそれでいろいろ影響が出ます。
列挙すると
・所得税と住民税が増えます
・健康保険料や介護保険料が高額になり、高額医療費制度での支払時にはその額が増えてしまいます
・その他に健康保険を使うと2割負担だとか、自治体が提供する市営交通の割引も率が減ったりします。

このようにコスト負担が増えるデメリットがあることは計算して想定しておかなければいけません。

私はいろいろ考えあぐねて、今時点では基礎年金は繰り下げをせずに65歳から受け取ろうと思っています。そして厚生年金だけを75歳まで繰り下げし、妻の年金は基礎年金を70歳までは繰り下げようとしています。

こうする意図は、私の世帯では月20万円の生活でかなり十分に暮らせて、旅行も行けるレベルの生活費になるからです。ミニマムライフスタイルが出来ています。

そうなると月に20万円、年に220万円の手取りねんきん額になったらそれで良い!だから私の厚生年金だけを75歳まで繰り下げたら済む。そう考えました。

妻の基礎年金を繰り下げる目的は、妻が将来受け取るだろう遺族年金を増やすためです。遺族年金はいくつか受け取りパターンがありますが、妻の基礎年金に私の65歳時点の厚生年金の4分の3を乗せた額というのが目指すとことで、妻の基礎年金額を増やすということはこの額を大きくすることができるからです。

私は男だから平均寿命81歳なので、たぶんそこでおしまいでしょう。長生きするよりなるべく苦しくなくて自由にしていられる暮らしがしたいです。だから妻より先に逝くように苦しまないような病気も選べたらいいなぁと妄想します。

それはさておいて、年金を繰り下げるのなら65歳になるまでにド真剣に将来の方針を打ち立てておくべきです! というのが当記事で力説したいところです。方針を打ち立ててもその先社会や経済の状況は動くでしょうから、毎年といわずに毎月でも立てた方針の微調整をしてある日「来月から年金受け取るぞ!」の号令を下す。こんな感じです。

ただ、何パーセント増えるかは上記の日本年金機構のサイトで数字は分かりますが、元になる金額の数字(65歳時点の年金受取額)はちょいちょい変わりますからそっちを気にしなければなりません。なのでたまには年金事務所にわざわざ出向いて「あたしの年金、75歳になったらいくらになるでしょうねぇ?」と尋ねてみるといいいです。

そうしたら年金事務所では丁寧に計算結果をプリントアウトして説明してくれますよ。

※この記事は私個人の考えを書き表したものなので、参考にするか否かはご自身の判断とご自身の責任となることをご承知ください。

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