老後2千万円に殺されない生活日記

老後の安心感を追求するお金ブログ

貯蓄を減らして年金を増やした方が良いという説

   

年金を繰り下げすると、銀行預金するよりもかなり多く増えることはよく知られているはずなのですが、なぜか年金繰り下げをする人は全体の1%程度ということだそうです。

https://financial-field.com/pension/2021/04/18/entry-103263 年金繰り上げ繰り下げ受給。みんなどのくらいやってるの? ファイナンシャルフィールド記事へのリンク

こうなっている理由は、

ひとつに日本の年金制度への不信感、早くもらうものもらっておかないとそのうち大幅減額させられる。

ふたつめに、自分が健康なうちにもらっておかないと寝たきりになってからたくさんもらってもしかたがない。

こんな理由分析がされています。

これら2つの年金を早く受け取ってしまいたい理由は理解できますが、もっと深い損得勘定をしてみる価値があると思い、持論をここで書きたいと思いました。

ここでいう年金の繰り下げの得失と注意点については以下のサイトによくまとめられていますので、こちらをご覧ください。

https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1121.html 老齢年金の繰上げ・繰下げ受給について 生命保険文化センターサイトへのリンク

年金受給時期を繰り下げして、ある程度年金受給額を増やし、老後の介護を含めて年金だけで生活できるようにする。そして繰り下げている間に手持ちの生活用預貯金を取り崩して使って減らしてしまう。

こういう「宵越しの金は持たない」式の暮らしに損得勘定での利点があると、私は睨んでいます。そして65歳に到達したら粛々と年金繰り下げに乗り出すつもり。そういう魂胆をここで解説してみます。

1.年金繰り下げする目的を、相続税対策に据える

多額の預貯金が相続時に残っていると、昨今では多くの場合に相続税が発生します。相続税そのものは指示された税額を払えば済むことなのですが、この手続きが死ぬほどタイヘン!!

相続税には基礎控除というものがあり、その額は3千万円。さらに法定相続人1名毎に600万円の控除額が加算されるしくみです。

相続税申告の仕事が発生してしまったら、その仕事は税理士に依頼しないといけないです。

もし自身で申告書を税務署に提出したら、きっと税務署は申告内容の信ぴょう性が低いと判断し、税務調査に入られる。きっと素人作の申告書だから計算間違いや抜けのひとつふたつはあるだろう。それが軽微な額だったらまあマシなのだが、一桁間違っていたら重加算税を取られることになるだろう。だから税理士にこの仕事を依頼する方が精神的に楽なのですが、税理士に依頼しても自分でやらなければならない書類集めなどやることは膨大。どこにどんな財産があるのか、お金ではない貴金属などはいちいち鑑定してもらうようなチマチマした仕事がたくさん出てきます。

もし不動産の相続があるとそれだけで2千万円などの高額資産になるから預貯金や金融資産を相続税の基礎控除内に収められる額は2人の法定相続人が居ても1200万円にしかなりません。

それ以上の相続があれば相続税を支払い、税理士への報酬も加わり結構な財産がそういうところに支払われて目減りしてしまう。

私はこれが嫌だ!

たとえ自分が死んで子ども達がやることとは言え、絶対に基礎控除内に収めてやる!!

と、心底そう思っております

なので自分の資産額はかならず不動産を含めて4200万円以内に収めたい。

だから早く預貯金は使ってしまおう。その代わりに年金額を増やし、その増えたお金で足りる生活をできるようにしよう。これが一番いい! というのが私の考えなのです。と言っても私の預貯金額がそんなにデカイものではないから、65歳から69歳までの5年間に生活費用に毎月取り崩して行けばかなり底をついてくる。そういう作戦なのです。

2.振り込まれた年金だけで生活するのは、会社員が振り込まれた給料だけで生活するのと同じで、慣れた「毎月の振込」で暮らす家計で簡単

つまり、年金の振込額を見てそのお金の範囲内で生活するというサラリーマンの給料で暮らすやり方がそのまま踏襲できるのが、年金だけ暮らしの利点だといえます。

年金の足らず前を貯蓄から取り崩して使うことは高度な家計管理が必要です。高度な家計管理といっても家計簿をちゃんとつけるということで良いのですが、これが結構たいへんなお仕事。まだ頭脳明晰な年代なら問題なくできる家計簿ですが、敏取ってから受け取る年金と貯金のバランスをどうやりくりするかは低くないハードルです。

それに対して、2か月毎に銀行口座に振り込まれる年金を半分に分けて、今月と来月分はこの範囲内でやりくりしようと考える方がよほど楽。というのが妻の持論です。歳取ったら妻と夫でやっと一人前の能力?になるらしいから(これも妻の持論)月々の家計予算は簡単であった方がいいわけです。

妻の持論はまだありまして、ふつうの人はせっかく貯めた預貯金は減らしたくはないから、もし年金と貯蓄取り崩しの併行でやる家計やりくりだったら、絶対に預貯金から降ろさないようにドケチになってしまうだろう。こんなこと言います。

歳取ってからドケチになってお金残して、お金があるのに貧しい生活するのはダメな暮らし方です。

ドケチ生活は、まだ将来にやりたい大きなことがあり、それの達成のためにお金貯めまくるにはドケチは良策です。しかし歳を重ねるともうそんな大きな事はそうそうありません。もう先が見えてきます。「もう先が見える」ということは良いことで、見えた先に使うだろうお金だけを銀行口座に残しておく、その額を想像することが若い頃よりずっと簡単なのですね。だからどうせ残しても相続にまわってしまうお金になるなら、生きている間に有意義に使ってしまう方がずっと良いことです。

そのために、年金額を「適切に」増やして、月々の家計は年金100%でやって行けるようにすしておこう!。これが私の目指す持論です。

しかし、いくらの年金額にするのが「適切」なのでしょうか?

私はそれは年額200万円、つまり月額16万7千円でやっていけるように生活のダウンサイジングを取り組み、年額200万円の年金額になるまで貯蓄取り崩しで年金を繰り下げするのがベストな姿勢。これが私の持論です。なぜ200万円なのか?その理由は税金や保険料などが安い年金額の上限が200万円とちょっとだからです。これ以上の年金を受け取ると税金や保険料が割高になってくるのです。

でも、元々の年金額がスゴく高額だったら、そもそも安い税金・保険料では済まないのだから、そういう方々は目いっぱいの年金受取額になるまで繰り下げして、税・保険料は高くつくけどまだたくさん残る年金でゴージャスな老後を過ごす。しかし相続税に消えてしまう所持金は繰り下げ期間に生活費として大きく減らして相続税を最小化しておく。こういう具合にしてはいかがでしょうか?と私は思います。

この先私は年金受け取りを70歳から満額にします。それまで65歳から69歳までは厚生年金だけ受け取り、基礎年金は70歳から受け取り開始にします。これでちょうど年額200万円の年金となります。

しかしもしも私に何かあり、69歳まで待てない!となれば、基礎年金は65歳支給開始で遡及して受け取りの手続きができます。受け取っていない年金は5年までは遡って受け取ることができます。

一方、年間200万円で生活が成り立てば、巷で言われている老後2千万円なんて必要ありません。あの2千万円の根拠はふつうの人が、ふつうの年金額を、ふつうの生活をしながら受け取ると、生活費が生涯で2千万円足りないですというもののうようです。

ですが、200万円で足りるような「ふつうではない」よくダウンサイズされた「小さな自分・小さな暮らし」に邁進して上手くいったら生活用に2千万円を用意する必要が無くなります。

このはなしはまた別に記事を立てたいと思います。

 - 年金を運用する!