米国景気の鉱山のカナリア2つ
鉱山のカナリアの本来は、昔鉱山に入るとき鳥かごに入れたカナリアを連れて入ったもんだ。もし毒ガスが坑内にあれば、人間より先にカナリアの体調にそれが現れ元気がなくなり鳴かなくなるからわかるというしくみ。
これが転じて、市場暴落の前にその兆候を示す指標も鉱山のカナリアと呼ばれている。
ところで米国ダウやナスダック指標は日経平均と比べて上昇著しいが、米国指標の中でNYダウ 輸送株20種という指標推移は日経平均のそっくりさんと見做されているようだ。
NYダウ 輸送株20種 TRAN:IND Bloomberg
なので、米国市場におけるカナリアとは言え、日本にも関連が強そうだ、ということで、
その中の2つは・・・
1.米国ハイイールド債ファンドの動向
これは通称ジャンクボンドとも呼ばれているデフォルト信用格付けの低い社債で運用されるハイリスクハイリターンのファンドのこと。利回りの高さが魅力なのだが、景気が悪くなり始めると腕利きの投資家達は、ヤバさからいち早くこのファンドから逃げ去って価格が急に下がる。ので鉱山のカナリアになるという。
以下がそのチャートへのリンクになるが、2019/07/26時点でまだカナリアの元気はありそうだ。
iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF (HYG) Yahoo! FINANCE
2.米国長短金利差逆転
ふつう長期金利の方が短期金利より金利は高いのだが、市場が傾くとこれが逆転するという。
ただ、何年モノを比較するのかによって逆転する、してない、がマチマチになるが2019年ではいくつかの組み合わせで金利逆転、すなわちカナリアの元気が無くなったらしい。
しかし代表的な長短金利を比べるアメリカ10年、2年国債の利回りでは、まだ逆転が発生していない、というか2019/7/26時点で金利差僅少でヨコヨコもしくはやや10年物が金利優勢にシフトしてきたように見える。なのでカナリアの元気は首の皮一枚でなんとかもっているようだ。
10-Year Treasury Constant Maturity Minus 2-Year Treasury Constant Maturity FRED
2つの鉱山のカナリアは、2019/7月現在べつに異常なしなのだけど、さあ、これからをどう見るべきか・・・・・
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