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「特定口座源泉徴収あり」でも確定申告した方が良い場合、2つ

   

投資信託や株取り引き口座の種類には一般口座、特定口座源泉徴収なし、そして特定口座源泉徴収ありの3種類があります。

「特定口座源泉徴収あり」のメリットは、この口座で取り引きされたものについては確定申告しなくて問題ないことです。確定申告しなければ、①申告手続きする面倒が要らない ②所得が出ても社会保険料率に影響が無い、というメリットがあります。

しかし「特定口座源泉徴収あり」であっても、確定申告した方が良いケースがあります。

第一は、例えば下のリンク先に書いているように、証券会社(銀行なども含む)の取引で損失が出たケース

松井証券サイトQ&A「特定口座「源泉徴収あり」でも、確定申告をしたほうが有利になるのは、どのような時ですか」へのリンク

ここに3つの場合が記載されていますが、みな証券取引の枠の中で起こりえる「確定申告をしたほうが有利になる場合」です。これは誰でも、サラリーマンでも個人事業主でも年金所得者でも、こうした方がいいです!という節税のお話しです。

第二は、上記の解説の範囲拡大版ともいうべきケース

こちらは個人事業されている人が対象です。その事業は事業所得でも雑所得でも構わないのですが、サラリーマンと年金生活者は対象になりようがありません。なぜならお仕事で損失が出た人だけがこれで節税できるケースだからなのです。

サラリーマンと年金生活者は給料や年金が減ることはあっても損失(給料や年金はいくら減ってもマイナスになることはありません)が出ないから無理なんです。

今年2020年でコロナ禍に襲われた個人事業主・フリーランスは、このこの第二のケースに該当する人がいるでしょう(私も事業はマイナスです)。そのような方々で株で利益を手にした人がいたら、たとえ「特定口座源泉徴収あり」であっても確定申告した方が得になる可能性が大きいです。

ふつう「特定口座源泉徴収あり」で利益が出ると、その利益の額に見合う所得税が源泉徴収されて証券会社など取引先金融機関から国庫に納められます。しかし上述第一のケースでは、他社証券会社、あるいは取引銀行での投資信託取引で損失を出した場合は、確定申告して利益総額から損失総額を差し引いた額から改めて本来の税額を計算して所得税を徴収します、という「損益通算」ができるようになります。

第二のケースでは、証券の取引以外の様々所得の種類(事業所得や雑所得など、所得にはそれぞれ種類分けされて名前がついています)をそれぞれ個別に損益計算した結果を、ぜんぶひっくるめて損益通算する!ことができます。この結果2020年に個人事業などのお仕事がまっ赤赤の赤字で、株取り引きが幸い利益を生んだ!という場合に、「特定口座源泉徴収あり」だからと株取り引きの源泉徴収分を確定申告に含めなければ、株の利益から源泉徴収されてしまった所得税は手元に戻りません。しかしこれを確定申告に含めたら株で生んだ利益から、お仕事が今年生み出してしまった損失を差し引いて、少ない所得税あるいは損失の方が大きければ所得税ゼロにできます。これは裏技ではなく、損益通算とはそのような仕組みになっているわけなのです。

注意すべき点は、第二のケースで上述したように各個別の所得計算結果の通算した値がゼロ付近になることです

株取り引利益が確定申告されると国民健康保険料が高くなる心配がありまして、この額はバカにできません。

あまり良い書き方ではないですが、「特定口座源泉徴収あり」という制度は、株などが生んだ利益を、国民健康保険料を扱う地方自治体には“内緒にして知らせない”から株利益が保険料に反映されないで済むわけなのです。しかしあえてそれでも確定申告すると、これは申告結果が地方自治体に“バレる”ことになりますから、利益が出ていればその額に従って国民健康保険料はお値段が上がることになってしまいます。しかし確定申告しても利益がそもそもゼロ以下ならバレたって保険料はあがりません。かつ株の所得税も節税できるという結果になります。

なので確定申告で全体の損益通算したら高額な株利益が残る場合は保険料額が跳ね上がってしまい、せっかくの節税効果がチャラになってしまうことがありますから厳重に注意しましょう。またいくらの損益通算値までなら節税効果の方が大きくなるか?はここで一口に説明できません。

しかし多くの方々は株取り引きの利益が出たとしても、それ打ち消すコロナショックでのお仕事での損失がはるかに大きいでしょうから、事前計算して損益通算値がゼロ以下のマイナスであれば確定申告に株取り引きなどの利益(特定口座の場合は証券会社から計算結果が送られて来ます)も持参して確定申告に臨んだ方が良いと言えます。

私は事業はマイナスがもう目に見えています。株取り引きでは利の乗った銘柄を売却し、いくつかの配当もあったから源泉徴収が出ます。今までこれらを確定申告したことは無かったですが、前回に青色申告会(東京の東村山青色申告会でやってます)での申告時に「株の利益は確定申告しないの?源泉徴収ありでもメリットある場合がありますよ」とアドバイスされたので、今年度申告はこの手を使おうと思います。

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