老後2千万円に殺されない生活日記

老後の安心感を追求するお金ブログ

気をつけろ!身近にあるある「やりがい搾取」

   

今回はお金の話題というより人生を損しないための話題

「搾取」とは、他人を労働に就かせたのにそれに見合うだけの報酬(ふつうはお金)を支払わずに儲けを働かせた側のものにしてしまう行為です。

こんなズルい搾取は影を潜めたかと思いきや「やりがい搾取」というステルスなヤツが最近の常套としてか、よく目をこらして我が身に降りかかった出来事を観察すると、分かったぞ!と思うときがあります。

この「やりがい搾取」とは、ふつうは会社において経営者が授業員の仕事へのやりがいを転用すなわち悪用し、賃金や一時金に見合う労働負荷を越えさせて会社に利益をもたらさせ、それを従業員に支払わないで取ってしまう、搾取の手口のひとつです。

実は、この手の「やりがい搾取」はよく身の回りを眺めると、身近にもあるのです

気を付けたいことは、やりがい搾取の手口には「やりがい」という魅力的な精神的報酬が含まれているので、搾取されているとは見抜けないことが常です。

なので多くの場合、さんざん搾取されて終わってから『実は自分は搾取されていたのではないか??』と気づくことになるのですが、このとき、自分がその搾取にハメられていたことを受け入れたくない(自分はマヌケだったと思いたくない)から「いい経験になった」と美しく自分の意識を飾り、決して搾取を語らないので目に見えないのがふつうです。

しかし搾取されている時間は、実際にタダ働きもしくはすごく低賃金なわけで、このようなやりがい搾取にハマる度に人生の無駄をしているわけですから、『これはやりがい搾取だ』と気づいたときにそこから去ることを画策した方が良いのです。

もうひとつ、「やりがい」と「やりがい搾取」は混じっている場合があります。また最初は「やりがい」であったものがいつの間にか「やりがい搾取」にチェンジしている場合もあります。

やりがい搾取を被った自身の例を書きます

地元自治会活動で地域協定改定のハードワークをタダでするハメになった話

地域協定のある町内というのがあります。
その町内では市に対して10年に一度協定内容を見直して改定し、市に対して改定申請をしなければなりません。そういうことが市によって決められているというのが 地域協定のある町内 。つまり市が申請を許可するか却下するかの権限を持っているから届出しておしまいにならない力の要る仕事です。

そんな面倒な地域協定は無い方がマシと私個人は思うのですが、市によって協定地域となっているから必要な改定作業はマストです。だけど地域の事なので地域住民がその改定作業をしなければならない。その作業は立派なお仕事です。
それにもかかわらず、その改定作業の労をとった人(当時の私)に対して市も自治会も報酬を支払うことはありません。そのような支払いの仕組みは無いのです。

一方で仕事はかなりのハードワークです。
改定案をまず作り、たくさんの地元ご家庭から改定案への意見を聞き、まとめて修正し、さらにまた各ご家庭に「これでいいですね」と確認して回り、文書にまとめる作業も全部やり、自治会会合で説明し、その後に市役所に持って行って説明して、さらに市から言われた「ダメ出し」をまた直してやっと提出して許可されたら受け取りに行ってファイルにまとめて自治会長に渡す。

会社で仕事するのに匹敵するほどの仕事量なのに、その報酬はゼロ。

ではなぜ私がこのような力仕事を引き受けることになったか? その理由は私が・・・

初めて自治会役員をやることになったので「役に立とう」と思ったから

「やりがい」を求めたからです。

最初は夏祭り準備とか、夜警とかの役割から自治会活動は始まりました。この頃は初めて知り合うご近所さん達と仲良くできてとても楽しく嬉しかったです。その後に会長から「ちょっと」と呼ばれて上述の地域協定改定を「誰かがコレをやらなきゃならない・・・すまんが引き受けてくれないか」と言われました。さらに話しを聞くと会長さんも一緒にやるから大丈夫と言われたので、これなら人に役立てると「やりがい」に思って引き受けてしまいました。

なぜ私にそのそのハードワークの白羽の矢が立ったのか、あとでそれとなく会長に尋ねたら、夏祭り準備などの働きっぷりを見て『アイツなら引き受けてくれるだろう』と私に照準が定まったようなのです。

私はこの翌年に地元自治会を辞めました

辞めた理由は実は妻の言った一言「今の自治会活動は住民間で公平になっていない」これを聞いたとき自分のやった協定改定仕事にまさにその言葉が当てはまる!と思い、妻の一言に共感して自治会から足を洗いました。本来の自治会内の役割分担では別の人がそれをやる当番だったのですが、どうも当人はその仕事をとても嫌がったらしいのですね。なのでその代役として「やりがい」を感じて自治会活動を始めた私に白羽の矢を向けてきた。

軽々できる活動なら搾取なんて言わないけど、

会社の仕事に匹敵するような仕事量を報酬ゼロでやるハメになるなら、これはもしかしたら労働搾取ではないか?と疑ってかからなければ損が出ます。

こんな仕事は他にもあります。思い出すまま簡単に書き並べると

1.とあるNPO法人の仕事に加わったあと、最初にあてがわれた仕事は興味が無いので、他の仕事に変わりたいと申し出たら、単に最初の仕事に加えて次の仕事がオンするだけになってタダ働きでの仕事量が二倍になってしまった。この後ここを辞めました。

2.別のNPO法人開催のセミナー運営スタッフの無償仕事をしたら、次回もお願い、その次もあるからとしつこく誘われ、さらに下部組織がガタガタになっているとかでこの立て直しに協力して欲しいとか、断っても断ってもメールが次々来るようになりましした。これに手をつけだしたらさすがに労働を搾取されると感じました。ここはこれで済んで良かったです。

3.知人の紹介で請け負った「町興し」。計画立案だけの約束でしたが、なしくずしに運営もやることになり、挙句の果ては計画に無かった思いつきのイベントも手伝わされそうに。さすがに逃げました。報酬はお金が足りないとか言うので半額に負けました。それでも逃げ出して良かった。

NPO法人や地域活動は活動形態がボランティア活動(ボラ)が定番です。ボラということはタダ働きが基本。しかしボラのやりがいは、気の合う人に巡り合えるとか、喉から手が出るほどやりたい体験ができることが「やりがい」です。

しかしある時、たぶんNPOの当事者も意識していないままに「やりがい搾取」が勃発することが珍しくありません

なぜならどんなに仕事をやっても、やらせても報酬を払わないからコスト意識がゼロなわけです。お金が無くて「やりがい」だけが存在する世界。これがボラの一面です。ここで悪意は無くても結果的に自分視線に立ってみると『これはゼッタイ搾取だぜ!』と分かる瞬間があります。

このような「やりがい搾取」は善意、親切心とか友達だからという枠を踏み抜いたら必ず起きると言って過言ではないでしょう。人はもちつもたれつの関係だと言われています。まあそんなもんでしょう。

しかし人によって、場合や状況に「よってもちつもたれつ」の『このぐらいだったら搾取じゃないよね♪』の敷居が簡単に変わってしまいます。

もしかしたら自分自身が誰かを搾取しているのかも???

人の一生はそう長くありません。そんな短い一生で「やりがい」ならいくらやっても構わないですが、それが『ちょっと待てよ?』と胸騒ぎしてきたら搾取かどうか目をこらして考えてみましょう。

それで『どう考えてもコリャ搾取されてるわ!』と判断できたら。

そのときはサッサとそれを辞めて、どこか他へ飛んで出てしまいましょう。

 - 金儲けの気づき事項