老後2千万円に殺されない生活日記

老後の安心感を追求するお金ブログ

60歳でのFIREは、ハードルが下がりふつうの人にも実現可能か?

   

仕事生活からリタイアして、しかも自立した生活を送るためには、

1.暮らしが賄える規模の不労所得があること

2.暮らしのダウンサイズをして生活コストが「身の丈」になっていること

3.上記の両方を持っていること

このどれか1つがあれば、とりあえすFIRE(経済的に自立して早期退職すること)はできる。そう思います。

さらにFIREは俗に言う定年退職のときが効率が、たぶん最高!になる。なので、やりたいのになかなかFIREする腰が上がらずにズルズルと還暦を迎えそうな人がいたら「今がチャンス!」なのではないかという説をを書きます。

60歳到達で老齢年金が満額になる。年金とは不労所得のひとつです

FIREは投資により不労所得を得て、その資金で暮らす式のモデルとして説明されているネット記事や本が多いです。その投資はあたかも金融商品である!と示唆されていますが、そうとは限りません。働かないでも得られるお金はすべて不労所得で、この中に「老齢年金」もちゃんと含まれます。

年金が不労所得だったら、それで暮らすことにためらいを感じる方こう考えたらいいです。老齢年金は過去に自分で汗水流して働いてお金をもらい、その中から年金保険料を払い続けてここまで来たので、やっと念願叶って自分の年金を受け取る権利が与えられた。つまり自分が頑張ったご褒美の集大成が老齢年金です。

老齢年金は金融商品ではありません。が、金融商品に見劣らずの「運用成績」をあげることが可能な優れた投資先と言っても過言ではないです。

その詳しい内容は同じ管理人(大庭夏男)の別コラムで書きました。リンク先は以下です。

https://note.com/oniwa/n/n5207a0d14bfb ←年金は繰り下げで、金融商品のように運用できる可能性がある(note)へのリンク

60歳でFIREを狙うとき、不安となることは65歳までの5年間の生活費をどうするか?という問題がまず頭をよぎるのではないでしょうか。この5年間は年代にもよりますが基本的に年金支給が未だな時期になるので、別の投資や所持金取り崩しで賄う他ありません。

しかし事情が許せば「年金支給開始時期の繰り上げ」を使うことによって60歳から年金収入が得られます。ただし繰り上げすると65歳から受け取れる年間支給額より減額されます。この減額幅は年金支給開始を1か月早めるごとに0.5%ずつ減額され(2022年4月以降はこの減額幅変更になる予定)るため60歳受け取り開始では3割減(月0.5%の場合)になりますが、長年会社勤めに励んだ特に中から高所得のサラリーマンはそもそも年金受け取り見込額がデカいです。もし3割減っても暮らせる「身の丈」なら投資先=年金によるFIREが60歳にて家計上はめでたく「完成」です。

この場合、他の金融商品とかの投資は必ずしも必要なくなるというの最大のメリット。年金は将来が不安というネット記事や本がありますが、はたして株や為替、投資信託などの本格的金融商品への投資に比べて年金の将来がもっと不安と言えるでしょうか???

株や為替で稼げる能力を持った「天才」は確かに実在していますが、年金はそのような天才性は不要なところがふつうの人に向く「60歳年金FIRE」になるのではないでしょうか。

60歳ともなると、片付けるべきものがかなり片付いているので「身の丈」は低くなっている

人にもよりますが、高い生活費となる子育て、教育、住宅ローン、高齢の親の世話、会社や一族郎党との付き合い、冠婚葬祭、過剰な物欲、ミエ、このような出費がまん延していた若い頃の生活からいくぶんか脱却し、そこそこ家計の出費額が減っているのが60歳ではないかと思われます。特にFIREを目指す意識高い系の方は出費に対して敏感ですから、かなりの生活ダウンサイジングが進んでいるのではないでしょうか。

特に子育てやローン返済などは一度終了すれば再燃ということはまずありません。そのように「将来いくらかかるか分からない」という不確定要素が減って家計見通しが立てやすくなるのが60歳。そう思います。

将来の暮らしの不確定要素が減ると、この先には何にお金がかかりそうか、むしろお金が残ってしまうから旅行とかに使うか!など計画が立てやすくなります。その計画が頭に描けてお金の使い道が目に見えるようになると「あと何万円は今年使える」とか「何万円は節約しよう」と具体的に決め易くなり、これが暮らしのダウンサイジングにつなげられる、60歳とはそのような勘定ができるお年頃ということです。

ちなみに暮らしのダウンサイズとは、じぶんの所持金や年金、その他の収入の大きさという「身の丈」に合ったライフスタイルに合わせることを言い、なんでもかんでも節約に次ぐ節約を突き進めるドケチとは違います。ドケチは可能な限りお金を貯めようとするときにやることです。

60歳とは退職適齢期の端っこ

暮らしを支える不労所得または所持金(またはその両方)があったら一応FIREはできます。しかしそれだけでは甘美なFIRE生活はなかなか開始できません。FIREを妨害するお金以外の大きな要因に「世間体」というのがあります。

ここで言う世間体は思うより厄介かも知れません。つまり50歳代ではまだ働いていてあたりまえという世間の常識があります。例えばあなたが冤罪であっても警察に取り調べられたとしましょう。このとき無職という事実が分かった場合と、会社に勤める勤労者だったことが分かった場合では、その後の取り調べの様子に差が生じるだろうことは容易に想像つくでしょう。

こういう深刻な世間体から、近所で「あの人、まだ50歳代なのに、お仕事していないんだって!!」という余計なお節介系の世間体まで実にバラエティー豊かに世間体があります。個人差がありますが、こういうのは気にする人にはとてもとても気になるものらしいです。

今はもう昔のこととはなりますが、かつて60歳は会社員の定年退職「ご苦労さま」と言われて花束もらって自宅に帰り、その後3日間は幸せに暮らせたものだったらしいです。その名残というか、もう絶滅寸前ですが60歳はもうお役御免できた名残がかすかに世間にも残っているのが現在ではないかと、そんなニオイがまだ感じられます。「ああ、あの方60歳なの・・・だけどもうお疲れなのね」みたいな。

いわゆる転身するなら60歳を機に、みたいな感じで。なのでこの転身の機会が使える60歳という年にFIREに転身するというのは世間体上は言い訳可能な少ないチャンスのひとつと言えます。

「私も60歳になりまして、将来をいろいろ考えまして、一念発起して自分の信じる道に進もうと・・・」こんな感じの言い訳かな?と思います。

60歳は体力と気力はまだまだ残っている最後の最後

体力と気力が残っていないと、リタイアしたらもう「終わった人」になることは目に見えています。60歳より50歳代の方がもっと体力と気力がありますから、起業など大きな挑戦もできましょう。しかし60歳はそう上手くはまいりません、というのが60歳を通過してみた自身の感想です。しかしまだFIREする気力は残っているのが60歳。そのぐらい60歳でのFIREはハードルが低く降りて来ているのです。

60歳という年齢は、新たな分野へ転身できる余力が大きいです。しかし起業とかのお金の要る挑戦は、私はやめといた方が無難だと思います。

起業とかより、人とのつながりを活用して小ビジネスを企てたり、芸術活動をしたり、みたいな道の方がFIREに合っています。つまりお金儲けはもうやめて、今までと違う面白さに出くわすための活動をしたらいいのではないか。これが私のアドバイスです。上手くいったら小銭ぐらい儲かるかもとか、そんなことの小ビジネス。

かつて私が会社都合退職のとき、会社が心配して斡旋してくれた再就職支援会社の担当者が「そういえば会社への再就職じゃなくて、歌手になった人が以前に一人だけいた」と言っていました。担当者はその人変わった人、どうかしているねぇみたいな口ぶりだったけど、そのような「どうかしている」ことを60歳のまだ体力と気力がある間におっ始めるというスタイル。これがFIRE向きではないのかな?

60歳なら健康寿命まで10年以上ある

日本人の健康寿命は男性72歳、女性74歳なんだそうです。60歳はそれまであと10年ぐらいあります。10年あれば一連の取り組みができる!私はそう感じました。私は52歳で会社生活を辞めて自由な暮らしの個人事業主となりました。今は63歳、ほぼ自由の身になってから10年経ちまして、極端に言えば「もう思い残すことも無い」という境地に、ほんとうになりました。10年間でやりたいと思ったこと、海外旅行に思い切り行く、地域で活動で一旗揚げる、ネットデビューする、NPOにかかわる、などを全部やって成功も失敗も体験しました。

それで「もう思い残すことも無い」とか悟っちゃったので、今後はあまり面倒なことを今から始める気にはならない私ですが、もし60歳で私が会社勤めを辞めたら、これからの10年間で似たようなことを始めていたかもしれません。なぜなら10年ぐらい経たないとやりたいことを一応全部試してみた気に成らないからです。

その他

60歳がFIREお薦めだと書いてまいりましたが、逆に言うと30代や40代では天才要素あるいはFIREへの執念がものすごいものが無いとFIREできないと感じています。しかし世の中そういう天才や努力家がけっこう居るのも事実。

そんな彼らから60歳でFIREなんてしょぼいと思われるのかもしれません。しかし多くの人々はふつうの人。そんなふつうの人の範疇でFIREを目指すとしたら、60歳はチャンス到来に間違いないと私は自分の経験からそう思います。

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