リタ研ブログ 大庭夏男の早期退職法

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アーリーリタイア志望者がリストラに。そのとき、どうする?

      2017/05/08

想定ケースは・・・50歳代、定年にはかなり早い、年金受け取りの65歳まではほど遠い。しかし内心「定年前に会社を辞めて自由に生きたい・・・」と願望しているサラリーマンに、突然降って湧いた“自身へのリストラ退職の誘い”。そのとき、どう行動しましょう??

1.焦る気持ちを抑えて冷静に「会社辞めても暮らして行けるか?」判断しましょう

過去1年間の生活費全額は、おそらく子どもが学校を卒業し、自立して稼げるようになるまで同額の出費が続くと考えるのが妥当です。この期間、ある程度余裕を持って超えて行けるだけの貯蓄があれば“とりあえず”アーリーリタイアできる可能性はありそうです。その先、年金生活に突入しますので、貯蓄実態にフィットさせた暮らしぶりに合わせて行くことになりますが、これにはまだ時間的余裕があります。でも子どもを自立させるまでの暮らしレベルは「現状維持」は“必須!”と思った方がいいです。そうしないと家庭は崩壊する危険が高くなります。

2.まず「再就職活動」をしましょう

内心「俺はアーリーリタイア」と考えていたとしても、完全リタイアすると突然何もすることが無くなり、それが元で不安を引き起こして精神面でダメージを受けます。それに家族も夫や父の“突然のリタイア宣言”はまったく受け入れたくありませんから、それを押し切ってリタイアを強行することは戦略上好ましくありません。

リタイアするには「準備」が必要で、しかもその準備とは、自身の準備と家族の準備に分けて考えることが実際上必要です。

自身の準備は簡単です。
貯蓄資産が今後の生活費を上回ることを計算して確かめ、辞めてからの自身の生き甲斐を確立させたらだいたい準備完了です。

ところが家族のリタイア受け入れ態勢は、お父さんがリストラに遭って「俺、もうリタイアしたい思う・・・」と言い出したところから始まります。ここで自身の準備が整ったからと、早速リタイアするのは早すぎ!。まず次の勤め先を探して“腰掛け就職”するのが好ましい戦略です。

3.再就職先は収入度外視で“楽なところ”を探しましょう

例えば自宅から10分で通勤できる会社。業務が自身の経験上簡単にこなせる仕事。残業のない会社。週休3日、4日の仕事。精神的負担が極めて少ない業務。このようなキーワードを用意してハローワークへ行き、再就職活動を行いましょう。

収入は前職よりガクンと減った方が作戦上良いです。だからパート・アルバイトでもいいでしょう。なぜなら目的は、腰掛け勤務を適当な段階で終わらせ、その次にはリタイアするわけです。家族にそのような雰囲気をうまく伝えるため収入少なく、かつての会社勤め時代の夫や父とは明らかに違う!「なんだか性格おっとりしてきたけど、この給料じゃあ・・・」となった方が「もう会社生活はほんとに終わりにしたい」と言うのに良いムードだからです。相変わらずバリバリ仕事していたらそうなりません。

腰掛け仕事でもあくまでもその会社の社員ですから、チャランポランではダメなことは言う間でもありません。これはリタイアに向けての“着陸トレーニング”として重要な期間ですから今までの肩書きや権威から脱皮することと、家族にうまく「おとうさんは近くリタイア」を以心伝心すること、この二つを進める期間だと思って1年あるいは2年勤めるのがいいと思われます。

4.ハローワークの「職業訓練」は受ける価値があります

再就職の前、あるいは腰掛就職した会社をまた退職してからでもいいかもしれません。ハローワークの職業訓練は受ける価値があると思います。

なぜか? リタイア後に“ゆるい起業”するとき、役立つスキルを得られるからです。
ハローワークは「再就職」が看板ですが、起業への支援も“ちょびっと”あります。ただ再就職に比べて起業候補生にはたいした支援が用意されていません。例えば再就職活動中、失業給付金支給期限が来てもまだ就職できていない人には給付金の延長措置がありましたが、かつての私のように再就職には見切りをつけて起業に踏み込もうとした人にはもはや給付金延長はできませんでした。

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しかしハローワークの職業訓練は就職志願者でも起業候補生でも役立つような、たとえばホームページ制作、家具製作、造園などのように起業に通じるスキルを学べるメニューがありました。しかも無料です。

5.子どもが巣立つのを待ってのリタイアの方が無難です!

これはあまり説明の必要は無いと思います。子どもの学費や生活費は高くつきますから、巣立ってしまったら生活費は劇的に減少します。この子どもが巣立った時の生活費がいわゆる世間で言う「老後の生活費」になると考えられますから、実際にその額を体感し、年金と貯蓄で先々までやっていけると確信できたらリタイアする経済的準備は整ったことが明確になります。

6.リタイア暮らしには、適応期間が必要です

サラリーマンからリタイアメントに移行させることは、ちょうど飛行機が高度を下げて着陸するのと似たようなイメージです。パートやアルバイトのような“今までとは違う働き方”をしている1年か2年の間に「バリバリ仕事しない」暮らしに体と精神を慣らし、家族のマインドも鎮める“のほほんとした時期”が是非あった方がいいです。

以上私の経験から“アーリーリタイアを始めたい!と思っている人”という条件付でリストラ宣告を受けた場合のノウハウを書きました。これはリストラに遭ったらリタイアすればいい、という意味では決してありませんので勘違いしないでください。リストラ宣告されると意気消沈して「もう働くのを辞めよう」と消極的離職をしたくなる人もいるかもしれませんが、そういうケースはリタイア準備はできていません。

準備不足のアーリーリタイアは、たとえ資金的には足りる計算であっても、無職、あるいは「アイツは遊んで暮らしている」との周囲の重圧に耐えきれなくなるでしょうから、是非思い止まり、再就職に意欲を出してください。

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