会社を退職 精神的リタ活の手順
2017/05/08
「会社を辞める」という言葉には①「今の会社ではなく別の会社に勤めたい」という転職願望と②「会社生活そのものから離れたい」というリタイア願望に分けられます。
当記事での目的は「リタイア」ですから、言う間でもなく②でなければなりません。
他には何らかの事情(病気など)でもはや会社に働けないというケースもあろうかと思いますが、このケースは以下の記述はあまり参考にならないかもしれません。自主的なリタイアについて、そのリタ活の手順を記載します。
1.リタイアを考え始めるときのサインを見つける
「会社は居心地の良いところとは言えない」
これがリタイアに向かう全ての始まりのサインだと思います。端的に言えば「会社が嫌い」ということにもなりますが、次の分類をしてリタイア願望なのか、転職期待なのかを峻別する必要があります。転職期待なのにリタイアすべきではありません。
● 今勤めている会社、今の仕事内容や働く環境、今の社内人間関係が起因して辞めてくなっている場合、これは転職期待です。リタイアしてはいけません。
● 組織から離れて一匹狼になることに恐怖を感じるようなら、たとえリタイア願望でも急いでリタイアしてはいけません。退職してからノイローゼというトラブルが懸念されます。
2.会社生活の項目リストを作る
○ 働きがい:会社組織に属して働くことの「喜び」みたいな感情や「夢の実現」
○ 会社の人間関係:気の合う同僚、尊敬する上司
○ 安定収入:給料
○ 手厚い福利厚生:組合健康保険、厚生年金、会社の保養所
○ 会社員の安心感:ステイタスシンボル、世間体、「会社員」の社会的信用度の高さ
○ 役得:海外出張、接待、赴任手当、気楽な単身赴任生活
○ 自分の居場所:会社のオフィス、自分の机とパソコン
○ 亭主元気で留守:妻側の「夫が会社員メリット」このメリットは夫の想像をはるかにしのぐ
これらは私自身の分析ですから人によって異なるでしょう。想像力をたくましくさせて自分自身の場合でリストアップする必要があります。
3.リストの中から一つ捨てる
どれか自分に一番必要度が低い項目を選んで捨てます。
「捨てる」という意味は、心底その項目が会社生活にとって必要ないと決めて、その項目を会社生活にまったく期待しないことです。
ただ、捨てるためには代替えが必要です。たとえば会社の人間関係が不必要と判断しても、すべての人間関係無しではやっていくことはできません。地域やサークルで別の人間関係を育て、会社に依存しないでも平気でいられなければならないのです。
また、いくら「捨てた」としても実際に退職するまで会社では捨てたことを言いふらしたり誰かに悟られてはいけません。退職日までいつものままで振る舞わないと周囲から村八分されます。
私が真っ先に捨てたのは「会社での仕事のやりがい」でしたが、辞める直前まで仕事には前向きでした。ただ「辞めてから役立つ技能が得られる職場」に異動して、捨てても前が向けるようにしました。
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4.1年ぐらい経過したら二つめ、三つめを捨てる
急にたくさん捨てると、その時点でショックや無気力に襲われ、幸せなリタイアができなくなりますから、捨てる項目は急に増やせません。数年かけてリストの半分ぐらい捨てられたら御の字です。
5.退職の日和見をし、チャンスを捕まえて本物のリタイア
退職は「会社都合」がベスト。少なくとも何の客観的説得力の無いリタイアは、会社を辞めてから家族や周囲からの「針のむしろ」になるから日和見は大事です。
ぐずぐずしていたらやがて「定年退職」という多くの人に訪れる節目が来ますから、そこまで待つのが無難。65歳の年金支給開始は「勤めていたら年金減らされる」との説得力を強める戦術も可能。その点で早期退職からアーリーリタイアへ移行するのはよほど慎重にすべきです。
リタイア願望があり、上述の精神的リタ活と生活費確保が済んだ人にはリストラに遭うことはまさに千載一遇のチャンス。必ずモノにできる機会です。
ただ、そのチャンスは波のように短時間で来ますから、全て準備が整うには間に合わないでしょう。上述のリストに掲げた項目のいくつかは未練が残ったまま退職になるのが現実ですから、リタイアしたら少なからず会社への未練が残る。後は日にち薬で治るのを気長に待つ、という姿勢も合わせて必要です。だいたいリタイア後3年でもう会社生活に戻られない、戻らない気構えが完成するでしょう。